第77話 はい!やってきました!コスプレ屋!5日連続です!

前回のあらすじっ!

 今日もアウトレットに行くこととなりました。これで5日連続です………。なぜか、店長が脳裏をよぎるっ!以上っ!




 現在、俺は火口さんと、アウトレットへ向けて電車に乗っている。


「なぁ、火口さん。何度も言うけど、こんな陰キャとアウトレットに行ったら、変な噂が流れてしまうけど、大丈夫?」


「そ、そんな噂、わ、私は気にならないよ?」


「そ、そうか……それならよかったよ」


「うん……。あ、でも、汐留さんにも変な噂が流れることになるよ?」


「あぁ、俺は気にならないよ。こんな俺が、女の子とアウトレットに行っているという噂が流れても、信じてくれる人は少ないと思うし」


(うん、言ってて悲しくなるな……)


 そんな会話をしながら、アウトレットへと向かった。




 アウトレットに到着すると…


「じゃあ、ここからはリュー様を探しに行きましょう!」


「テンションが高いなぁ……」


 なぜか知らないけど、少しテンションが高い火口さん。


 ここから後、何段階上がるのか心配である。


「まずはこの店に行きましょう!」


 と、火口さんが広告を見せてくる。


「ん?どこだ?」


 と、思って広告を見ると…


「って!あのコスプレ屋じゃねぇか!」


(おい!この展開、昨日の美羽の時もあったぞ!あの店長、広告を配りすぎなんだよ!)


 そんなことを思いながら、全力で回避を試みる。


「あ、あのー、その店はやめてたほうが……」


「汐留さん!あのリュー様は、この店のコスプレ服を着たらしいんですよ!」


(うん、知ってる。正確には着せられたんだけどな。てか、テンション高いなぁ……)


「だから、リュー様に会うためには、この店を訪れないと始まらないんです!」


「なんでそんな情報を持ってんの!?」


「それはですね!ここの店の店長さんが拡散してました!店の名前が書かれたプラカードを持った、リュー様の写真を!」


「あの店長!勝手に拡散してやがる!!」


(次会った時に問い詰める!)


「ん?この店の店長さんと知り合いなんですか!?それなら、拒む理由はないですね!」


「あー、いや、それが……」


「そんなこと言わずに、行きましょう!」


 そう言って俺の背中を押す火口さん。


「ちょ!いつもの火口さんに戻ってー!!」


 そう叫ぶが、足を止める気配はない。


 しかも、いつもの火口さんに戻ってくる様子もないため…


(くっ!あの店長に会うのだけは避けないと!)


 と、本気で思う凛であった。




 はい!やってきました!コスプレ屋!5日連続です!


(立て続けに来たから、店長以外の店員さんの顔を、覚え始めている俺がいるんだけどっ!)


 そんなことを思いながら、火口さんに連れられて店へと入る。


 その時、ふと思ったが…


(ん?なんか今日は店の中に人がたくさんいるな)


 今日は店長の姿も確認できないくらいに客が多い。


(これは大きいぞ!この視界の悪さで、俺を見つけることは無理だろう。だが!警戒は怠るな!どこかに潜んで俺に話しかけてくる可能性はある!………いや、潜むくらいなら仕事しろよ!)


 そんなことを思っていると…


「よかったぁぁぁ!君に用事があったんだよ!ホント、今日もコスプレをしに来てくれて助かったよ!」


「そんな目的でここに来てねぇよ!」


 やっぱり現れた店長。


(てか、今どこから現れた!?気づいたら目の前にいたんだが!?)


「はいはい、そんなこと言わず………に?」


 と、店長の声がどんどん小さくなっていく。

それに伴って、視線は火口さんをロックオンしていく。


「えーっと……なんでしょうか?」


 と、火口さんが疑問系で聞くと…


「また、別のかわいい女の子を連れて歩いてる!」


「そのコメントはいらないだろ!」


「も、もしかして汐留さん。この店に、私以外の女の子と来たことがあるの?」


「えーっ………」


「はい!それも4人も!」


「だからなんでいつも店長が答えてんだよ!」


(毎度毎度、俺が弁明できないんだが!?)


 そんなことを思っていると…


「し、汐留さんは、私以外の女の子とデートしたことがあるんだね?わ、私は、お、男の子とのデートは、初めて…だったのに……」


「い、いやぁ、二人で遊ぶことはあったけど、別にデートしてたわけでは……」


 と、弁明しようとしたが、なぜか、店長は火口さんの耳元へ行き、何かを囁く。


「あれをデートではないって思ってるのは彼だけですから。彼と来た女の子たちは、みんなデートって思ってましたよ。君も頑張らないとね」


「う、うん!私、頑張るよ!」


しかし、声が小さいのと併せて、周りがうるさくて聞こえなかったため…


(ん?店長が何を言ってたか、わからんが、火口さんが「頑張る!」って大きな声で言ってたから、何かやる気が出る言葉を言ったんだろう………。何に対して頑張るのかは知らんが……)


 そんなことを思う凛であった。

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