第65話 いやぁぁぁぁ!出回ってるぅぅぅぅ!!
前回のあらすじっ!
なぜか、芸能プロダクションにスカウトされました。ドッキリだと疑ってます。以上っ!
「君!是非、芸能界へ進出した方がいいよ!」
「はぁ、こんな俺に需要があるとは思えませんが…」
(ホント、今の俺がカッコイイなら、いつも目が見えるようにして、チヤホヤされてるはずなんだけど!この状態だと、舞から「外に出るな!」って言われるし、みんな顔を合わせてくれないから、カッコいい顔ではないと思うんだけどなぁ)
だから、断ろうと思い、俺の思っていることや、過去に俺が理央や火口さんたちを再起不能(俺の顔面による恐怖にて)にしたエピソードを三神さんにすると…
「なるほど。妹ちゃんたちの言動の理由も含めて全て理解しました」
「お!諦めてくれるんですか!?」
「今のところは…です。なので!絶対この名刺の番号に連絡してくださいね!いいですか!?絶対ですよ!絶対!!」
「は、はい」
三神さんの勢いに負けて、電話しないといけなくなりました。
(まぁ、電話したら“実はドッキリでした〜”的な展開が待っているのでしょう。手が込んでるなぁ)
そんなことを思いながら、店長の店へと移動する凛であった。
俺がプラカードを持って店長の店に帰ると…
「な、なんじゃこりゃ!」
そこには、たくさんの女性客で埋め尽くされていた。
(えっ!少し見ない間に何があったんだ!?)
そう思っていると…
「おかえり、凛」
「あぁ、ただい………ま?」
そこにはものすごく不機嫌なオーラを出している美羽がいた。
「ねぇ、私は店長との交換条件で、ちょっと宣伝してきてって言っただけ。なのに、何?この写真?」
そう言って俺に見せてきた写真は、俺と女の子のツーショット写真だった。
「なんじゃこりゃ!」
(えっ!なにこれ!?なんで知らない女の子と俺とのツーショット写真を美羽が持ってんの!?)
その理由を考えていると…
「ん、なんか発見した」
そう言って、あるSNSを見せてくれると…
「いやぁぁぁぁ!出回ってるぅぅぅぅ!!」
なんと!俺と女の子のツーショット写真が至るところから出るわ出るわ。
(なんでこんなことになってるの!みんなに見てほしいほどなの!?そんなに「リュー様の衣装は完璧なんだけど、男性がねぇ。残念!!」って言うのをみんなと共有したいのか!)
「凛、私、怒ってる。“私以外の女の子とイチャイチャしてきて”とか言ってない。これでは、店長との交換条件が破綻してしまう」
そんなことを言い出した。
(待って!さっきから聞き流してるけど、店長との交換条件ってなに!?)
そのため、俺が「交換条件ってなに?」と、聞こうと思った時…
「そう言われるのではないかと思いました!紅林さん!」
そう言って、どこかから店長が現れる。
(いや、仕事しろよ!他の店員さん、バタバタしてるぞ!)
そんなことを思っていたが…
「店長の私がここまで得するとは思いませんでした。さすがに私も紅林さんとの交換条件が成り立ってないなぁとは思いました」
「ねぇ、交換条件…………」
「なので!今から彼には、演技をしてもらいます!」
「なんでそーなるの!?」
(「なので」の接続詞、間違えてないかな!?)
唐突なる流れ弾。
しかも、俺の意見をガン無視して話が進む。
「ん?何をしてもらうの?」
「それはですね!美羽さんもご存知かと思いますが、今、彼がしているコスプレはリュー様です!なので!リュー様を演じてもらいます!」
「いやなんだけ………」
「ん!それは素晴らしい案。是非お願いしたい」
「だから俺はそんなこ………」
「わかりました!」
「そろそろ当事者混ぜろよ!」
俺を蚊帳の外に置いて、話がどんどん進んでいく。しかも、この俺の発言もガン無視して店長が……
「汐留くん、なぜ、この店にこんなに女性客が集まってると思う?」
「…………………」
(なんでかわからなかったから美羽に聞こうと思ったんだけど、多分、衣装は良かったのに、男性が似合ってない!ってクレームに来てるんだろう)
「俺に対してのクレーム?」
「あ、やっぱり今回も私の想像通りの答えが返ってきた………。これはですね!汐留くんへの質問や汐留くんについて聞きたい!っていう方が押し寄せて、こんな状況になりました!」
「ですよね!」
(やっぱり俺へのクレームだった。どうやら、あれはどこの誰だよ!文句言ってやる!ってことで、この店に押し寄せてきたらしい)
「ホントにやりすぎました。店長は評判を下げてもいいよって言ってくださりましたが、どうやら下げすぎたようです。申し訳ありません!」
と、俺は店長に謝る。
すると…
「許してほしいですか?」
と、聞いてくるので…
「はい!」
と、即答する。
「なんでもしてくれますか?」
と、聞いてくるので…
「はい!」
と、即答する。……………ん?
「じゃあ!リュー様を演じていただきましょう!」
「…………………はい」
(おいぃぃぃぃ!俺のアホぉぉぉぉ!なんで、簡単に誘導されてんだよ!)
そう、店長の笑顔を見ながら思う、凛であった。
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