第15話 『巨乳研究者への道のり』

前回のあらすじっ!

 俺が長年隠し続けてた『物理学者になるためには』(秘蔵コレクション)がバレました。以上っ!(泣)




 夕食後、エッチな画像の件で舞に怒られてる時、ヘアゴムを結んだまま怒られてたら「お兄!ヘアゴム外して!」と言われた。どうやら、ずっと舞の顔を見てたら、俺の目つきの悪さが本領発揮したようだ!


(舞のやつ、終始顔を赤くしてたからなぁ……。いや、嬉しくないんだけど……)


 俺を怒ってた舞はというと…


「ヤ、ヤバかった…あ、あのままお兄に説教してたら、私の方がおかしくなりそうだった」


とか言ってた。


(睨みが効きすぎて、心臓が止まりかけたのかな?……いや、いよいよやべぇな、俺の目つき。どうやら覇○色の覇気を会得したのかもしれない…)


 そんなことがあり、俺は心身共に疲れきっていたのだが……


(こいつ…誰のせいで怒られたと思ってんだ…)


 元凶は我が家かのようにくつろいでました。一発殴りたい気分だ。


「おい、美羽よ」


「なに?」


「俺はお前に言っておきたいことがある」


「ん、私も凛に言いたいことがある」


 お、美羽もか。まぁ、美羽の話は後からにしてもらおう。少しでもこのイライラを今すぐ美羽で発散したいと思ってたところだ!


 ……いや、エッチな意味じゃないからな!?



「なら俺から先に言わせてもらおう」


 一度大きく息を吸ってから……


「おい!美羽!よくもやってくれたな!今度美羽のパソコン全てのフォルダを隅々まで見てやるからな!」


 堂々と宣言する凛。


(うん、なんでこんな言葉しか出てこないんかな?俺の口喧嘩は小学生レベルなのかな?)


 そんなことを思っていると…


「いいよ、凛になら見られても」


「いや、恥ずかしがらないんかい!」


 そ、それだけはダメー!みたいな反応を期待しておりました。


「うん、隅々まで見て」


「なんだ、そこまで堂々と言うのか。パソコン見ても面白そうなものは出ないかぁ」


 そう落胆すると…


「ちなみに私も見られたら恥ずかしい写真あるから」


「お!美羽もあるのか!」


 その言葉を聞いた瞬間、気持ちが昂る。


「ん、ちなみにフォルダ名は『巨乳研究者への道のり』」


「いや、俺と同じことしてるな!」


 同じ考えをしてることに驚く。同志なら『物理学者になるためには』のフォルダは怪しさ満点だわ。てか、そのフォルダ名は気になってしまい、逆に開きそうになるんだが!


「ちなみに、何が保存されてるんだ?」


「ん、凛を隠し撮りした写真の数々」


「よし」


 そう言って俺は玄関へと方向転換し…


「ごめん舞!ちょっと美羽の家のパソコン壊しに行かないといけなくなったから行ってくるわ!」


 そう言って動こうと思ったら服の裾を掴まれ…


「大丈夫。写真を保存してるのはパソコンだけじゃない。しかもバックアップも完璧」


 ドヤ顔で言われる。何が大丈夫なのかこれっぽっちも理解できない。


 てか…


「なんでそんなことしてるんだ?俺なんか隠し撮りしても面白くもなんともないぞ?」


「そ、そんなことない。楽しい」


 ちょっと顔を赤くして言う。いや、この発言のどこに恥ずかしがるところがあった?俺の根暗写真なんざ…はっ!もしかして!


「おい!もしかして、その写真で俺のことをいろいろとこき使う予定だな?このデータ欲しかったら金をよこせ!とかだろ?」


「……………………」


 急に喋らなくなった。なんならジト目で俺を見てくる。


(なんでそんな目になるかはわからんが、図星だったんだろう)


「……はぁ、まぁ、これくらいじゃ気づかないことはわかってた……」


「いやいや!図星だったんだろ?気づいてるぞ?俺は美羽の幼馴染だからな!美羽のことはなんでもお見通しよ!」


 図星のようなので、攻めていく。図星って指摘されると恥ずかしいからな!


 しかし美羽の反応は俺の思っている反応と違い……


「…これはもっと積極的にならないと……」


 なぜか美羽をやる気に満ちた顔にさせてしまう凛であった。

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