第16話 写真を脅しに凛を奴隷にする
前回のあらすじっ!
美羽が俺を隠し撮りしてたことを知りました。消してもらおうと今から頑張るとこ。以上っ!
「そんなことより、どーやったらその写真の数々を消してくれるんだ?」
一刻も早く消してほしいので直球で聞く。
「………………」
ものすごく悩んだ顔をした後…
「なら、さっき凛が言ったことをしてもらおう」
「ん?俺がさっき言ったこと?」
「そう、写真を脅しに凛を奴隷にする」
「いや!そんなニュアンスのことは言ったが、奴隷になるとは言ってない!」
ものすごい改変が行われてしまった。
「じゃあ、隠し撮り写真の数々はこのまま私が拡散しよう。手始めに舞へ……」
「ウソウソ、奴隷になる!奴隷にしてください!」
舞へ隠し撮り写真の数々が手渡されてしまったら、舞も俺を奴隷にするとか言いそう。奴隷にされるのは一人で十分なため、全力で美羽の奴隷をすることにした。
(くそぅ、ものすごい武器を持っている。核兵器並みだな。対抗手段が思いつかねぇ)
「そう、それでいい」
やべぇ、すごく嬉しそうな顔をしている。俺はどんな命令がくるのかビクビクしてるのに…。
「なら、まずは私に膝枕をすること」
「え、それなら時々してる……」
「ん!」
そう言って美羽が座っていたソファーを“バシバシ”と叩く。
「へいへい」
「“へい”は10回」
「へいへいへいへいHEY!HEY!HEY!って多いわ!」
(普通「“はい”は一回!」って修正させるだろ!なんで増えてんだよ!しかも“へい”の部分は修正せんのかい!)
………………へいHEY!言ってて段々とテンションが上がったのは黙っておこう……。
「そんなことより、はやく座る」
「…………はい」
そう言われて、渋々座る。座るとすぐに美羽が俺の膝の上に頭を乗せる。
「そして撫でる」
「はいはい」
そう言われたので美羽の頭を撫でる。赤くて腰まである髪をゆっくりと撫でる。
(サラサラな髪だなぁ。いつまでも撫でたくなる。まぁ、そんなこと言うと永遠に終わらない気がするので言わないが…)
しばらくは美羽の頭を撫でながらテレビを見る。そのため、美羽の顔が真っ赤になって口元が緩んでいるのを見逃す凛であった。
その後、ちょうどいい時間になったため、美羽を起こし、家まで送る。美羽はかなりの美少女なので誘拐される可能性はある。そのため、毎回、家まで送ることにしている。家は隣だがな。
ちなみに俺の隠し撮り写真は奴隷一回につき1枚消去するらしい。それならすぐに終わると思ったが、聞くと100枚は超えてるらしい…。ストックありすぎだろ……。
美羽を家に送り、自宅の玄関のドアを開けると…
「おかえり、お兄」
なんと舞が待ち構えているではないか!
………え!なんで!?
「ちなみに私と交わしたお願い、覚えてる?」
「……………?」
「はぁ、やっぱり覚えてないんだ。明日は涼風さんの弁当を食べていいからって許した時のお願い!というか条件!」
(はて?なんのことだろう?あの時は命が助かった記憶しかないんだが……)
どうやら俺はお願いを聞くことで許してもらえたらしい。しかし、いくら考えてもでてこない。
「…申し訳ありません、覚えておりませぬ」
と、舞に言うと……
「なるほど……」
そう言って鬼の形相になる。
「お兄………正座」
「はい」
なぜか玄関の土間で正座させられる。しかも本日二度目。なかなか経験することないことを経験してる。
「私はここで、あの時、涼風さんの弁当を食べることを許す代わりに…お、お兄と一緒に寝ること……をお願いした。思い出した?」
徐々に舞の声が小さくなる。
(お、思い出した!そういえば夜にも命の危険があるぞ!って脳内で警鐘がなったから無意識のうちに封印してたんだ!いやー、人間の脳ってホントすごいなぁ…)
「お、思い出しました。いやー、舞と一緒に寝ることができるとか嬉しいなぁ。いつ以来かなぁ。昔はあんなに「お兄ちゃん、一緒に寝よ?」って言ってた………はい、調子に乗りましたすみません」
徐々に上から圧がかかってくる。あれ?この辺り酸素が薄いなぁ。うまく呼吸ができない気がする……。
「はぁ、思い出したならいいよ。じ、じゃ、じゃあ、あの…あ、後で、お、お兄の部屋に行くから……」
顔を赤くしてモジモジしながら言う。
(くっ!かわいく言うからこれ以上は何も言えない!)
今日寝れるかなぁと心配する凛であった。
ちなみに舞が「お兄ちゃん……」と言いながら抱きついて眠ったため、全然寝ることができませんでした……。
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