第13話 そろそろ学校に脅迫文を送ろうと考えてる

前回のあらすじっ!

 「夜は俺と一緒に寝る」と舞が言ってました。どうやら、舞は俺に寝てる時に殺気を感じたら、起きれるよう訓練したいらしい…。まぁ、その時はその時の俺にどうにかしてもらおう!以上っ!

 

 舞からお説教され、ようやく正座から解放される。舞の機嫌は良くなったように見える。なんで弁当の件等々を許してくれたかはわからないが……。


「あ、お兄、今日の晩御飯は美羽さん来るんだって」


「お、そうなのか。今日は賑やかになるな」


 そんな話をしていると、「ピンポーン」とチャイムが鳴る。


「今開けるぞ」


 凛が鍵を開け、扉を開けると…


「お邪魔します」


「あぁいらっしゃい、美羽」


 『紅林美羽くればやしみう』。赤い髪が腰まである美少女。俺たちの家の隣に住んでいる幼馴染。俺に対して甘えてくることしかないので、二人目の妹のような感じだが、一応同じ学校で同級生。お互いに両親が忙しいため、時々美羽がウチに来て一緒にご飯を食べることになってる。


「また凛と同じクラスになれなかった。そろそろ学校の先生に抗議する」


「アホなこと言うな!俺たちが幼馴染ってことは学校のみんなには知られないようにしてるだろ?」


 どうやら俺と同じクラスにまたなれなかったことに不満を抱いているようだ。学校でも美羽のワガママに付き合うのは勘弁してほしいので、今回も一緒にならなくて良かったとホントに思ってる。


「私は別に幼馴染だと公言していい。というより、公言したい。そうすると堂々と凛に会いに行ける」


「やめて!美羽は学校で人気あるんだから、そんなことすると美羽に迷惑がかかる!」


(というより俺の心が持たないっ!絶対「なんでこんな陰キャが紅林さんと幼馴染なんだよ!」的なこと言われるって!ただでさえ、舞と登校してる時に舞を脅してるって話になってるんだから、さらに会いに来られると美羽も脅されてるってことになっちゃう!)


「むぅ、私は別になんて言われようが気にしないって言ってる」


「俺が気にするの!」


(こいつ、どんなメンタルしてるんだ?できれば俺のメンタルと交換してほしい…。日々の陰口ですり減ってるからなぁ…。これも目つきが悪いせいだな…。こればかりは父さんの遺伝だからなぁ。父さんが帰ってきたら一発殴ろう)


 そんなことを話しているとリビングにつく。


「あ!こんばんは、美羽さん」


「ん、こんばんは舞」


「もう完成したから少し待っててください」


「ん、了解」


 と、キッチンにいる舞と少し話をする美羽。


 俺は現在配膳を手伝っている。


(どこに舞の怒りスイッチがあるかわからないからな。率先して動いて少しでも良い印象を与える必要がある。いや、なんで俺は家でビビりながら生活してるんだよ!家って普通、もっとも心休まる場所じゃないの!?)

 

 そんなことを考えてると配膳が完了したので


「「「いただきます」」」


 今日のメニューは唐揚げ。俺の好きな料理だな。


「美羽さん、今日の学校はどうでしたか?」


「ん、普通。でもまた凛と同じクラスになれなかったのが残念。そろそろ学校に脅迫文を送ろうと考えてる」


「いや!そんなことするなよ?美羽!?」


 なんかやりかねない雰囲気を感じたので釘を刺す。しかもさっきは抗議だったのに今度は脅迫文になってる。これは来年同じクラスにならなかったら爆弾テロになるんじゃないか?まぁ、来年は来年の俺に任せよう。


「あ、そういえば凛」


「ん?なんだ?」


「なんかすごくかわいい転校生と同じクラスになったって聞いたけど、噂になるくらいかわいい子?」


 おそらく、というか十中八九、涼風さんのことを言ってるだろう。ここで「今日一緒に帰りました!」とか言ったら舞がまた怒りそうだからそれを言うのはやめとこう。


「あ、あー、そ、そうだなぁ…かわいい子なんじゃない?」


「そう」


「その人涼風さんって言って、とても綺麗な方でしたよ。胸も大きくて…ね!お兄?」


「胸も大きくて…」の部分は目線を俺に向けて言い、ギロっと睨んでくる。怖いです。


「そ、そうだなぁ、胸も大かったなぁ…あ!でも!俺は別に胸の大きさなんて………」


「そう、胸が大きかったんだ。可愛くて胸が大きい。これは由々しき事態」


(って聞けよ!)


 徐々に俺が巨乳好きって流れになってきている。


 美羽はある一部がその……貧しいから余計悔しいんだろう。由々しき事態って言っているくらいだからな。ちなみに俺の見立てでは舞よりも小さい。って!比べてる時点でアウトだな!


(……巨乳好きって言うのは否定しません…。まぁ、胸の大きさで女の子を選ぶ男ではないので、その辺りを全面的に二人に伝えよう!)


 そう思う凛であった…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る