逃げた飼い犬を探していたのだが見つからないのでその飼い犬の名前を「〇〇大好きだ!」と叫んだら名前の読み方が同じ美少女に聞かれていた件
アキノリ@pokkey11.1
第1章 勘違いのボルテージMAX
.....あれ?
第1話 勘違いこそ至高なのだよ
「ゆきね!!!!!お前が大好きだ!!!!!結婚してくれ!!!!!」
愛犬が逃走して居なくなって悲しくなった俺、中島元也(なかじまもとや)は公園でそう絶叫した。
これはまあ.....愛犬に覚えさせている言葉だ。
最終手段の言葉である。
ただひたすらに昔から愛していた愛犬。
マジにキモいかもだが最終手段だからな。
7年以上一緒に居た相棒だ。
その相棒が居なくなって滅茶苦茶に悲しい。
俺はその為にそう絶叫した。
すると。
犬を連れた美少女が現れた。
その顔は真っ赤に染まっている。
目をパチクリして、だ。
その美少女はクラスメイトの大谷雪音さんだった。
栗毛色の長髪。
そして顔立ちがお人形の様なマジな美少女。
次元が違い過ぎる.....人物。
だが何というか俺の愛犬を連れている。
どうやら捕まえてくれたらしい。
俺は涙を拭いて立ち上がって大谷雪音さんの手を握る。
そして、有難う!捕まえてくれたんだな!、と言う。
「え、えと.....あ.....あの.....」
「?」
「その!あ、えっと.....えっと!!!!!」
だが真っ赤でぐるぐる目を回していた雪音さんはそのまま俺の御礼もそこそこな感じで猛ダッシュで去って行った。
慌てて真っ直ぐにそのままピューと効果音でも鳴りそうな感じで、だ。
俺は?を浮かべて足元のミニピンのゆきねを見る。
はっはっは、と言いながら俺に擦り寄って来るゆきね。
ああ良かった.....マジに。
「もう脱走したらダメだぞ。マジに」
「はっはっは.....!」
「.....それにしても大谷さんは何であんなに慌ててたんだ?」
俺は考えるが答えが出ない。
思いながら俺は大谷さんが去って行った方角を顎に手を添えて見ながら。
そのまま帰宅の途に着いた。
とにかく学校で会ったら.....感謝しないと。
絶対に、だ。
☆
「大谷さん!あの.....」
「!!!!!」
しかし。
世の中は上手くいかないものだ。
翌日の事だが何故か知らないが俺を避ける大谷さん。
それどころか俺に顔を合わせようとしない。
どうなっているのだ。
頻繁にトイレに行ってしまい話が出来ない。
「.....お前何かしたの?」
「高貴。そんな感じに見えるか?俺にそんな根性あると思うか?」
友人の高島高貴(たかしまこうき)が俺を見てくる。
坊主頭の野球部。
この学校に入学してから仲良くなったのだが。
俺は、マジに分からん、と言いながら高貴を見る。
「うーん?何かしたのかなって思ったが.....違いそうだな」
「.....マジに何もしてねぇ.....」
女子達も男子達も興味な感じで見てくる。
俺はその感じに手を広げながら悩む。
しかし困ったな.....これでは感謝の気持ちを言えない。
思いながら俺は、でも諦めんぞ、と思いつつ。
そのままグッと拳を作った。
〜〜〜〜〜
『雪音ぇ!!!!!お前が大好きだ!!!!!結婚してくれぇ!!!!!』
「.....あれってわ、私の.....事だよね?」
トイレの中で私は胸に手を添えて個室で.....心臓をバクバクさせていた。
かなり.....その。
心臓がバクバクしていて痛い。
あまりにも痛すぎて飛び出そうだ。
破裂しそうだ。
かなり.....その。
「.....わ、私.....の事が好きなの?」
いや。ちょっと待って。
考えてみる。
もしかしたら別の人の名前かもしれない。
勘違いかもしれない。
だから.....勘違いも甚だしいかもしれないし.....。
「よし.....」
大谷雪音。
私は帰国子女で.....恋とかした事がない。
だから誤解とかしているかもしれないのだ。
で、でも。
男の子にこうやって陰ながらでも。
『好き』
って叫ばれたのは初めてだった。
「.....あ。.....時間が.....」
私は思いながらそのままドアを開ける。
そして女子トイレから出ると。
誰かに打つかった。
そして地面に座り込んで.....壁ドンされる。
痛い.....って!!!!?
「あ.....やっと見つけた.....」
「.....な、中島.....くん」
何これ!?ナニコレ!?
何で私.....中島くんに壁ドン.....嘘!?
う、嘘だよね!!!!?
わた、私。
学校で.....!!!!?
「その。言いたい事が.....あって」
「.....ハヒィ!?」
「犬を捕まえてくれて.....有難う」
「.....あ.....その.....事」
何だか.....気落ちしてしまった。
だけどそれでも。
中島くんがそう思ってくれているのが嬉しい。
.....嬉しい?
これはどういう感情なのだろうか?
「おいおい。お2人さん。こんな所でイチャイチャかよ?」
「いや高貴!?違う!!!!!」
「チャイム鳴るぞ。早く戻ろうぜ」
ジト目の高島くんはそう言う。
それから私の手を取って立ち上がらせてくれた中島くん。
そんな中島くんの笑顔は眩しかった。
そうか.....私は。
中島くんが気になるんだな.....って思った。
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