銀狐 異端明治開幕譚

ネイさん

第1話 苦楽〜前段

あい、どうもどうも。


この度もこのような場にてお話し出来まして、光栄至極に御座います。


本日のお話は銀狐の異端明治開幕譚。

異端の方の開幕譚ですな。


実はもう片方、幻想明治開幕譚というのがありますが、そちらの方が本編で御座います。

別に言ってしまっても構わないので申しあげますが、幻想の方は明治元年から佐賀の乱のある明治七年までが舞台となっております。

つまりは話の終わりが佐賀の乱と、そういうわけなんですな。


一方の異端の方は、明治初頭ということ以外、これといって時代設定は御座いません。


言うなれば、日常編とでも言いましょうか。


歴史的には、その条例よりこの条例が先では!?と。聡明な方々はお気づきになられるでしょうが、まあ話の都合ですので、寛大な御心でお許しいただければな、と思う次第です。


しかしまあ、これから出てくる人物というのは、本編においては生き延びた人物達なわけでして。


つまりは、本編のバリバリのネタバレもあるわけですが、言ってしまえば歴史物なんぞ、そもそもの元ネタを学校で習うわけですからかまいやしないでしょう。



ま、ま、仰りたいこともおありでしょうが、此処はそういう事にしておいて下さいな。


サテ。


本編前の語りにお付き合いを。


これの出来次第で本編のデキも代わってしまいますので、ここは一つ気合を入れ直して参ろうかと思う次第。


しかしながら、そんな気合を入れたところで空回りしてしまえばどうしようもない。


それに、何をどうしても、頑張れば頑張ろうとする程、逆に空回りしてしまう。

そういう人も、残念ながらおられますな。


私自身もですが、思い当たる人物も幾人か浮かんでしまいます。


そもそも、努力というのは、認められる可能性も確かでなければ、実る事も不確定なモノで御座います。

それに、個人の頑張りでは如何ともし難い場合も御座います。


しかしながら、人と言いますのは、信じますな。


自分ならば大丈夫だろう、と。

いけるだろう、と。


よく言えば前向き、悪く言えば楽観視。


それは、人が生きる上で必要なモノであり、反面、己を苦しめるモノでもありましょう。


そんな、足掻く者たちのお話しで御座います。


物語は、九州の港街に、商人の子息である海老蔵と、その護衛であり、傾国とさえ謳われる美女・白蘭が訪れるところから始まります。


では、これにて前段は終わり。

本編の始まりで御座います。


どうか最後までお付き合い頂けますよう、伏してお願い申し上げます。

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