霧中の撤退作戦【実話】
神楽堂
第1話 アッツ島の戦い 1
「キスカ島に取り残された日本兵5,000人を救出せよ」
それが、第一水雷戦隊に与えられた命令だった。
昭和17年に日本軍は、アメリカ合衆国の領土、アリューシャン列島の西にあるアッツ島とキスカ島を占領した。
昭和18年、米軍は国家の威信をかけて、この両島を奪還してきた。
位置的にアッツ島よりもキスカ島の方がアメリカ本土に近いため、米軍はまず、キスカ島に上陸してくるものと想定し、大日本帝国の陸海軍、合わせて5,000人以上の守備隊がキスカ島に配置されていた。
しかし、米軍は意外にも、先にアッツ島に上陸してきたのだった。
アッツ島の日本軍守備隊は、キスカ島の半分以下である2,400人しかいない。
5月12日。
米軍11,000人が霧に紛れ、アッツ島に上陸。
日本軍守備隊との激しい戦いが繰り広げられた。
アッツ島に米軍上陸の報を受けた司令部は、アッツ島守備隊に向けて、以下の内容を無線で伝えた。
「全力をもって敵を撃退すべし。隊長以下の健闘を切に祈念す。海軍に対しては直ちに出動し、敵艦隊を撃滅するよう要求中」
アッツ島守備隊は善戦した。
しかし、多勢に無勢であった。
アッツ島守備隊は、山の上へと後退を余儀なくされる。
隊長は北方軍司令部に、武器弾薬の補給、及び一個大隊の増援を要求した。
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