page.15 豊かな村の掟【Documents/A】

【発生日時・発生場所】

 1960年。新潟県某所。


【事件内容】

 村人は結婚以外で村の外に出ないこと。一度出たら里帰りもせぬこと。他所の村のものが嫁いできた場合も離縁するまでは村から出ぬこと。村の話は外に漏らさぬこと。客人は丁重にもてなすこと。冠婚葬祭は全て村長一族が執り行うこと。

 これらの掟と引き換えに三百年間、戦中ですら村人が飢えなかった奇妙な村があるという報告があった。

 報告者が死亡した為、奇捜研から調査が行われた。


【容疑者】

 村長一族。

 

【処分】

 結婚式を終えてすぐに持ち込んでいた爆弾で村長の家を爆破し、中に居た村長一家を爆殺した。村長につながっていたものに関しては警察組織が別件逮捕。村長一家の死後、憑き物が落ちたように自供を始めた。


【経過】

 収穫量は変わっていない。

 一般的に豊作と言われる年も、不作と言われる年も、安定している。

 そもそも不便な土地なので人口は減少するばかりでもうじき廃村となる。

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