page.2 hAtred【Documents/A】

【発生日時・発生場所】

 1955年11月11日午前11時。北海道札幌市狸小路七丁目。


【事件内容】

 突如出没した全身の表皮が張り裂けて筋肉組織が露出した中年男性が付近を通行していた人間を手当たり次第に襲う通り魔事件が発生。返り血で真紅に染まったその姿が赤いちゃんちゃんこを着せられたようだという証言が残っている。

 鎮圧後、調査した結果、筋組織が異常に肥大していた他、薬物による痛覚の抑制処置が見られた。米軍から流出した拳銃を所持していた。炎で行動を制限した上で、両膝を撃ち抜き、拘束。警官隊の武装および周辺住民のリンチでは殺害不可能だった。

 市民の協力により、全身複雑骨折、内蔵複数破裂の状態を維持したまま、警察署まで連行。その後、■■研究所に身柄を引き渡されることとなる。


【容疑者】

 名称不明。中年の男性。出現した時点で全身の表皮が張り裂けて筋肉組織が露出。ほとんど会話不能。共犯者が居ると仄めかす。幸せに暮らしている人間への憎しみについて一方的に喋り続けるばかりだった。


【処分】

 逃亡を試みた為、怪奇捜査研究所にて二号ダイナマイト五本を使用した上でかろうじて爆殺。Documents/F“怪人A”を作成。


【経過】

 全国で類似事件多数発生。いずれも犯人の身元不明。いずれもDocuments/F“怪人A”で対応。銃火器の進歩で鎮圧が容易になるにつれて発生件数が減少。発生時も迅速な対応・事後処理が可能となった為、Documents/F“怪人A”の使用頻度も減少。


 最初に集団リンチに関わった住民の中から同様の異常存在の発生を確認。迅速な処分により、感染は見られず。

 この事件の後、担当者は研究所に辞表を提出した。


【担当者追記】

 Documents/Bへの分類に断固反対。

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