第八話 「ежемесячная отчетная выписка(月次報告計算書)」
「―――ありマスッ」
"カタッ! カタタタタタタタタタタ....
「"あり"マスッ!
――――業務でありまスッ!」
「(少し、"教育"し過ぎたみたいだな....)」
「"パソコン"でありマスッ!」
「・・・・」
藻須区輪亜部新聞第四編集局。
「仕事の進捗度(しんしょうど)を
推し進めるためにはッ!
一に努力ッ
二に努力....ッ で、ありマスッッ!?」
「(・・・・)」
"カチャッ...."
現在モフソゴルロフに出向している
隆和の代理として、新しく
この藻須区輪亜部新聞第四編集局の
編集局長の業務を兼任する事になった
河野 洋文は、編集長席の椅子に座りながら、
机の上に置かれたデスクトップパソコンに目をやる
「(まあ、元から大した規模の
会社じゃ無かったが...)」
"ピッ ピッ"
河野は、この第四編集局が担当している
アロ!・コムソモーレツ!の
インターネットサイトのPV数、
更に、この藻須区輪亜部新聞社全体の
紙面の購買数や、広告宣伝費等の
雑多な数字が書かれている
月次営業成績報告書に目を通しながら、
少し離れた先に机を合わせて座っている
第四編集局の局員達に目を向ける....
「・・・"業務"にはッ!
気合ッ! そして、"根性"
がッ! "必要"なのでありまスッ!」
「おい、三咲―――....」
「・・・何ですか?」
朝の朝礼の点呼の号令を任せる様になった
三咲に目を向けると、その三咲が、
隣の席の太田と何かを話している姿が見える
「お前、いくら編集長が変わったからって、
何も普通のパソコン打ちの最中も
そんな大声を張り上げる事はないだろう」
「――――....ッ」
"カタタタタタタタタタタタタタ...."
「お、おい、三咲・・・」
「・・・・」
"カタタタタタタタタタタタタタ...."
「・・・!」
やたらと声を上げながら
キーボードを叩く三咲を見て、
それを止めさせようと思ったのか
太田が話しかけるが、三咲はその言葉を無視して
一心不乱にキーボードを叩き続ける.....
「(いい傾向だな...)
おい、太田ァ....!」
「ッ!?
―――――は、ハイッ!?」
"ダッ!"
河野が自分の名前を
呼び終えるか、終えないかの内に
素早く席から立ち上がると、太田は
一目散に第四編集局の部屋の中を横切り、
編集長席まで駆け寄る
「な、何でしょう...?
こ、河野支局長....?」
「・・・藻須区輪亜部新聞の
会計はどこの部署で管理してるんだ?」
「―――....!
い、いや、全体の出納は、
個別に各編集局毎に管理していて、
それぞれ別個で――――」
「じゃあ、全体的な数字は、
第一編集局で管理してるって事か?」
「あ、そ、そうです」
「・・・・」
"ガタッ"
「・・・・!」
太田の言葉を半分ほど聞くと、河野は
そのまま席を立ち第四編集局のドアを開け
外へと出て行く....
「な、何なんだ...」
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