【初配信】転生したらヒトオスだった件【にじこん/鬼公方アラヤ】 そのに
【悲報】リスナーが全員セフレを名乗る不審者と化す。なお童貞と処女しかいない模様。
おかしい……。予定ではもっとこう、余裕があって溢れる色気で性欲を煽りつつもヒトメス共を掌の上で転がす蠱惑的なキャラクター路線で行きたかったのに……。
これじゃあポンコツ臭の漂う耳年増の童貞ビッチお兄さんじゃねーか。……あれ? じゃあ別にいいのか?
「考えてみたら童貞バレとか別に何も困らなかったわ。そもそも非童貞の既婚者が、毎晩ヒトメスの相手をしながら企業でVTuberやる元気あるわけないだろいい加減にしろ!」
チャット▼
・確かに
・まあ企業Vは裏でも色々と忙しいとは聞くが
・わ、私らだって我慢くらい出来るし……
「ほならね、君らに彼氏や旦那さんがいたとしてさ……今日は収録で疲れてるから休ませて、って言われて我慢出来るの?」
チャット▼
・無理
・駄目です
・生意気言うな
・別に寝ててもいいけど絶対に犯す
・発情した私らの前で無防備に寝るとか逆に誘ってるでしょ
知ってた。
集団で狩りをする(比喩)この世界のヒトメスに
「つまりノーダメってことよな。むしろ安心して推せとすら言えるわ。それはそれとして……次はこうはいかんぞ、覚えてろよ(震え声)」
チャット▼
・ノーダメ(重症)
・断末魔といいさっきらから言動が悪役なんよw
・自分でも次があると思ってるの草
「でもジャンル的に主人公やヒロインか? って言われたらぶっちゃけ悪の組織の男幹部ポジだよね俺って」
チャット▼
・それな
・わかりみが深い
・負ける度に脱ぐお色気担当感ある
・物語中盤くらいで主人公のこと好きになっちゃうやつ
・人気投票で毎回ヒロインより上位に居座るタイプ
にじこんに入った以上、汚れるのは早いか遅いかの違いなんだよなあ結局。
ともあれ代償に何かを失った気もするが、なんやかんやで他のタグもあらかた決まったので周知を兼ねて一覧にして表示する。
ファンネーム :異世界フレンズ
挨拶:こんシコ~、おつシコ~
配信タグ:#異世界なう
イラストタグ:#アラヤ識展
センシティブタグ:#お肉棒の欲望
「はい」
チャット▼
・はい
・成し遂げたわね
・いい仕事したわ
・ちゃんとセフレって呼んでね♡
他はともかく最後のはこれが一番マシだったとはいえ、微妙に韻を踏んでるのがちょっと腹立つんよな……。
「何か無駄に疲れたしもうこれでいいや……。えー、それじゃあ残りの時間で届いたちん──お便りにお返事して終わりにしまーす」
チャット▼
・ちんすこう
・ちんすこうね
・ちんすこうと言え
・ちんすこうから逃げるな
「はいはい、ちんすこう! 利用させて貰ってる身で言うのも何だけど、もう少し男が使うことも想定して作って欲しかったなあマジで!」
──マシュマロというものがある。
前世でVTuberの多くが活用していた匿名メッセージサービスで、AIがある程度選別して悪意ある内容を取り除いたものだけが相手に届く仕組みだ。なお悪意のないクソマロは来る。
マシュマロ=優しいメッセージなら投げられても痛くないよね! という売り文句だったのだが、悲しいことにこの世界ではこのような有様になっていた。
「ハイというわけで最初の内容はこちら!」
『アラシコ許可下さい』
「──許可するッ!」
チャット▼
・言い切ったわね
・断言したで
・子宮に響いた
「いやでも正直これは何を今更って話よ。何なら君たち処女共に本物のヒトオスで抜く悦びを分からせてやるためにVTuberになったまであるぞ俺は」
チャット▼
・つよい
・エロい
・ししし処女違うし!
・わ、私が逆に『分からされ』ていた、だと……?
面談の時にも思ったけど、犯されるのは論外としても貞操逆転世界にいながらお前じゃ抜けないって言われるとそれはそれでイラッとするというか……。何か理性を飛び越えて、上等じゃねーか後悔しても知らねぇぞ! ってノリになるんよね。転生ヒトオスボディが遺伝子レベルで煽りに弱すぎる件。
「そんなわけで餌をやると言った手前、初日くらいはサービスしてやろう。オラッ、ガチ恋距離を食らえっ」
チャット▼
・あっ(即死
・お゛ッ、何これやっば……♡
・あぁ^~子宮が降りて来るんじゃぁ^~♡
・あっこれガチでしゅきになっちゃうやつ……
・そ、そんなに私とちゅーしたいのか!? くそっ、くそっ!
こっわ……(戦慄)
単に前世Vもよくやっていた、立ち絵を拡大して顔面をドアップにしたよくある絵面の筈なんだが。
そうか、これまで男Vがいなかったから、そもそもリスナー側にVTuber相手にガチ恋するっていう概念がなかったのか……。ってことはまた俺何かやっちゃいました?(震え声)
ま、まあ多用していくうちに定番のネタ扱いになっていくことだろう多分。こういうところから慣らしていこう。
清楚の道も一歩から、つまりそういうことよ。
ヒトメスは衣食性住満ちてようやく清楚足り得る。お前らもう少し清楚になれよと押し付ける前に、まずは欲求不満の解消先が必要なんだ。
察するに、オカズの質というか使い方が悪いんじゃないかなって。
お昼は絶対この店のハンバーグ! そう決めていたのに既に売り切れ。他を探す時間もないからと定食を頼んだところで、それがどれだけ美味くても心にモヤモヤしたものが残るのと同じやつだ。つまりはそれのムラムラ♡ 版。
二次元は二次元で楽しむのではなく、今夜はリアルヒトオスで抜きたい気分なのにオカズがないから二次元で我慢する……そういったことが日常化しているからフラストレーションが貯まっている可能性は非常に高い。理想のオカズに出会えないのは辛いもんな……。
そこで俺を使って(直喩)ヒトオス成分を接種。充実感と共に少しずつ免疫を付けていけば、賢者……もとい聖女モードが常態化して一般ヒトメスリスナーだってカリン社長のように常に一定の落ち着きを得ることは可能……かもしれない。まああの人もあの人で何か特殊事例っぽい気はするが。
……何か賢者じゃなくて聖女だと逆にドスケベな存在に思えてきたんだけど気のせいかな……。
と、とにかく今求められているのは気軽に欲望をぶつけても許される都合の良いヒトオスだ。そりゃあVTuberだから三次元で致すことに比べたら結局は二次元だが……2.5次元とはよく言ったもので、声も反応も本物だ。そもそもオカズ需要はリアルヒトオスが手に入る層とは関係ないしな。そっちはそっちで企画やコラボで男女がワチャワチャしているのを娯楽として見て、是非とも箱推ししてもろて。
つまりそのためのバーチャルお肉棒が鬼公方アラヤという存在なのだ……!
名は体を表すとはよく言ったものだ。どうしてこうなった。
「はい、君らが簡単に好きになっちゃう雑魚だと証明されたところで次行きまーす」
『アラヤくんが他のメス共と絡むことを考えると興奮で脳が破壊されそうです……。私を助けると思ってゆっくりと「熱中症」って言って下さい!』
「……これは女VTuberとコラボなんてしないで! って言わないのを素直に褒めるところ? それとも素直すぎる欲望に呆れるべき?」
しかもちょっと目覚め掛けてるじゃねーか。
チャット▼
・人の命が懸かってるんですよ!? 早く言ってあげて下さい!
・もうバレてるんだよなあ
・大体私らいい子だからそんな酷いこと言わないし
・そうそう、これはマジ
・信じていいよ
・ヒトオスくんに嫌われたら絶対病むからね私ら
・心壊れちゃう
これはやさしいせかい、でいいのか……?
「ついさっき君らを信じて火傷した記憶があるんだけどな……。それは置いておいても、君らの言う『えっちなことなんて絶対しないから~』って言葉は一番信用ならないじゃん」
チャット▼
・それはそう
・何なら言った私らも信用してない
・でもおっぱいに埋めただけであっさり負けちゃうヒトオスも悪くない?
・嫌だったら逃げるもんね
・それもそう
・※ここまで全員処女
「いやおっぱい使ってくるのは卑怯じゃん……」
貞操逆転してるだけあって自分の身体のエロさに無頓着な癖に、それがヒトオスに効くことだけはしっかり理解してるんだよなこいつら……。
どう見ても物理攻撃なのに、分類的には回復魔法だから対策が皆無だし。クソボスじゃねーか。
むしろ貞操逆転してる癖に何で男の弱点はそのままなんだ。あ、エロ漫画でいう女はチンポに勝てない的なアレか……。なら駄目だわ。
煽り耐性が皆無で、おっぱいに勝てず、快楽に弱い。
やっぱこの世界のヒトオスって小型犬なんよな……それも需要のために品種改良されたちょっと闇を感じる系のやつ。
ヒトメスほど露骨に違いが目立たないだけで、こっちはこっちで庇護欲を煽るための進化してそうだわ。……え? じゃあもしかして分からせってキュートアグレッションの一種だったりするの? うそでしょ……?
「まあいいや、今回は投稿者の人に免じて信じてあげよう。……ね、ちゅーしよ?(小声)」
チャット▼
・んちゅ~っ!♡
・するするするするする
・んじゅるるるる、ちゅ~っ♡
・レロレロレロレロレロレロレロレロ
・フーッ……♡ フーッ……♡
・気付いたらモニターがべっとべとになってる……
ぐあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!(断末魔)
前世のVTuberたちはこんなものに耐えていたというのか!? 羞恥心のあまり自分自身への殺意がとどまるところを知らない……!
し、しかし男女コラボをすることの反応については密かに懸念していた部分だった。コラボしただけで何の罪もない同期やお相手が炎上したら、男と絡むだけ損という扱いになりかねないし何より罪悪感が半端ない。
それをリスナーの方から受け入れてくれると言ってくれるのだから、今だけは愛男精神溢れるヒトメスの性欲に感謝しリスナーを喜ばせる努力をするべきであって、これしきのことで倒れるわけには……!(満身創痍)
「やっべ、そういやガチ恋距離のままだったわ……」
道理で反応がヒトオスレイプモンスターになってるわけだわ。清楚ってか性染じゃん。まあノリもあるんだろうけど、感情の緩急が激しすぎて軽く恐怖なんよ。
とにかく立ち絵のサイズをもどしてもどして……よし、コメント欄が落ち着いたところを見計らって次行こう次!
『数あるVTuber事務所の中から何でにじこんに?』
『よりにもよってにじこんを選んだ理由を教えて欲しいです! うちに入っていたら私がヒトオスくんに「せ~んぱい♡」と呼ばれていたと思うと羨望のあまり愛液が止まりません……!』
「これ意外と多かったんだけど、界隈でのにじこんの扱いに正直笑ったわ」
チャット▼
・まあにじこんだし
・実際気になるところよね
・他所の箱のライバーらしき奴からで草
・そういやにじこんに落ちて大手受かった~って一時期流行ってたな
・今となっては圧倒的敗北者で大草原よ
・ハァ……ハァ……敗北者……?
「それで理由だけど……。社長が……アホだから……?」
チャット▼
・草
・決め手が雑すぎるw
・<四十八手院カリン>つまりわたくしの『人徳』ということですわ~
・でたわね
・それない
・ポジティブが過ぎる
・本人普通に居るのね
・一応言っておくと、お嬢は新人のデビューから暫くは全員の見守りしてる
・箱推しの鑑
ちなみに今日は初配信のため、機材トラブルや事故った際のフォローのためにも事務所のスタジオで行っている。つまりご本人が後方でドヤ顔しています……。
なお社長秘書メイドのメイちゃんはゴリ押しで俺のマネージャー兼業に就任したため、今となっては堂々と従者面しながらマロもといちんすこうの厳選作業をしてくれている。
……仕方ないんだ。せめて何かしらの枠に収めておかないと、当然のような顔して自宅で家事をやりかねない凄味があったし……。なおゲーミングチェアはまだ買えてない模様。
「真面目に言うと、良い意味で企業系っぽくないところに惹かれたかな。カリン社長や先輩たちの配信を見て、自由の幅を感じたっていうか」
性癖ぶち撒け放題してるからねあの人ら。なんでBANされないんだろうと思ったこともあるが、そもそも配信サイトからして『PakoTube』なんだから、そりゃあ下ネタの基準も緩いわ……。前世の価値観が通じると思ってる奴ほど異世界では早々に詰むってはっきり分かんだね。
「俺は配信を通して、君らヒトメスに男と話したり遊んだりする楽しさを知って欲しいと思ってる。そして退屈そうにしているヒトオスにも、俺を通してアニメやゲームにお前らが好きになれるものはあるって教えてやりたいし、ヒトメスと遊ぶのって楽しいのにお前らそんなことも知らんの? って自慢してやりたいんだ」
そして是非とも「は? 俺様にだってそれくらい出来るんだが???」ってまんまとこちら側に来て欲しい……!
だからリスナーとの間に壁が出来かねないアイドル売りや、男だからと変に大事にされ過ぎると出来ることの幅が減ってしまう。もちろん俺の貞操は守って欲しいが。
そういう意味でも、遠慮なくアホなこと言って絡めるヨゴレ系は正解だと思ってる。
「そんなわけで、まだデビュー直後だから具体的なことは何も出来てないけど。にじこんに入ったことは後悔してないし、男っていう以外の部分も真剣に考えてくれた社長──カリンさんには凄く感謝してるよ」
チャット▼
・普通にいい話だった
・感動で愛液が止まらない
・オタクに優しい男は実在したんだ……
・こいつヒトメスのこと好き過ぎだろ……結婚しよ?
・いえ~い、他のヒトオスくん見てる~?
・微妙にヒトオス煽ってて笑った
いや俺も別に同性に喧嘩を売る気はないんだけど、多分こういうのが一番効くからさ……。
しかし何だかちょっと恥ずかしくなってきたぞ。いやでも少しは真面目なことも言っておかないとだし……適度なエモとてぇてぇの供給は大事な筈だ、うん。でも営業だとしても男とてぇてぇは普通に嫌だな……。
チャット▼
・<四十八手院カリン>フッ、流石このわたくしが認めた"
・なんて?
・何言ってんだこいつ
「いや、何か知らんけど採用が決まってからそう呼ばれてるんよね。しかもちょっとランクアップしてるし……」
"
チラッと後ろを確認すると、カリン社長がごろんというかびたーんとなって転がってた。壁を向いてるから顔は見えないが、あれはもしかしなくても照れてるの……?
「はい、気持ちを切り替えて次がラスト!」
『性癖教えて♡』
「あのさぁ……」
チャット▼
・はよ
・早く言って
・これはにじこんの義務
・同期もやったんだからさ♡
……今後はメイちゃんに選ばせるのは止めて自分でやろう。あの女郎、優秀なのは助かるけどちょいちょい自分の私欲混ぜて来やがる。
ハァ……まあ仕方ない。
……それじゃ、ちょっと出しちゃいますかね? 本気、ってやつ。
「まあ性癖って言うほど大層なものじゃないんだけど──黒髪清楚巨乳まずこれよな。これ基本。基本は押さえておきたい。でも無理に染めるくらいなら金髪でも赤髪でも何なら淫乱ピンクでも気にしないっていうか、あくまでデフォルトカラー? 染めないのが大事。普通に痛むし。長さはロング一択ね。これは妥協しない。けどセミロングやボブが嫌いってわけじゃない。そういう気分の日もある。ポニテは好き。
んで清楚にも色々あるけど~……優勝はガチ清楚として、清楚系にも努力賞をあげたい。本物に比べて作り物感が出るのは減点だけど、そうまでして必死なんだ~? ってのが伝わってくるのはおにいさん逆に高得点あげちゃう。
巨乳に関しては~言うまでもないか、みんなデカいわ。じゃあ清楚の続きしよ。個人的には三歩後ろで影踏まずってのが理想なんだけど、想像したら普通に歩き辛くね? そこは隣でいいわ。敢えて言うなら半歩後ろってトコかな。そんで腕組んで思いっきりおっぱい押し付けて。ヒトオスくんはみんなおっぱい大好き。でも発情はしないで。そこ間違えないでね。イチャイチャしたいのであって交尾したいのとは違います。
そんでさ~、可愛くて強いのって概ねヒトメスの特徴なんだよね。でも賢さはない。悲しみ。いや実際INTは高いんだけど、性欲がデバフ過ぎてアホになってるトコあるでしょ。そういうの本当に惜しい。せめて昼間はもう少し慎みと恥じらいを持って。そして照れながら優しくはにかんでくれると最高。
夜はいい。夜はいいよ我慢しなくて。昼は清楚で夜はドスケベなのはむしろ高ポイント。自分しか知らないってのは独占欲ガンガン満たされるし、ギャップ萌えはヒトメスだって大好きでしょ。ヒトオスも本当は好きなんです。でも昼夜問わずヨダレを垂らされてるとエッチな気分より危機感の方が勝つっていうか──」
チャット▼
・ヒエッ
・めっちゃ早口になるじゃん……
・そこらのヒトメスより拗らせまくってて草
・本性現したね(戦慄)
・どうしてこんなになる前にれーぷしてやらなかった!?
・しまった! にじこんだ!
・これは疑いようもなくにじこんからの刺客ですわ……
「え、もう時間? 後もう少しだけ──あ、駄目? そう……。ってことらしいから、それじゃあセ……セフレのみんなも今日は見てくれてありがとう! おつシコ~!」
────。
──。
※このLive配信は終了しました※
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます