3話



夜ご飯を食べ終わり、早く話が聞きたくてうずうずしている。


「早く付き合う前からの話が聞きたいです。」


「一緒に暮らしているから沢山話せる。だから沢山話すけどいいか?」


「もちろんです!」


私は入試の日、鉛筆を忘れて困っていた。


困っている様子の私を見た彼は鉛筆を貸してくれたく。


そして入試の昼休み、連絡先を交換した。


その後、日に日にメッセージでのやり取りの頻度は増えていった。


1週間後には、やり取りしていない時間はどれだけあるのか分からないほどやり取りするようになった。


合格した私達は、入学式で再会。


入学から2週間後、秋からの告白で付き合うこととなった。


「素敵な話ですね。」


「素敵な話って...君と俺の話なんだけどな。」


「こうやって君と一緒に暮らせることになって俺はとても幸せだ。」


手を広げて何をしてくるのかと思っているとハグをしてきた。


よくわからない男だから怖かった。


「ごめん...よくわからない男にハグされるの怖いよな。」


「大丈夫です。今はよくわからないけどあなたの恋人なので。」


「ありがとう。君が可愛すぎて今度はキスしそうになったよ。」


こうやって長い話を聞いているうちに夜中の1時になっていた。


私はよくわからない男が話すことをを2時間以上聞いた。


「琴美、お風呂は入らなくて大丈夫なのか?」


「お風呂?おふろ??」


「そうだ、お風呂だ。」


「よく分かりません...。」


「なら俺が教えてやる、いいか?」


「恋人であり先生なので...大丈夫です。」


「じゃあ俺は君の分も準備してくる。」


「ありがとうございます。」



---30分後---


疲れた姿で私の前に歩いてきた。


「パジャマの場所が分からず時間がかかった。さぁ行こうか!」


「はい。」


彼に付いていきついた場所には、四角くて中に入れそうな深さのものとよく分からない空間があった。


たくさん置いてある物も何かよくわからない。


「体は自分で洗えるか?」


「洗うとは何ですか。」


私の返事で一気に彼の顔は真っ赤になった。


「おっ俺が君の体を洗う必要があるみたいだな。」


「お願いします。」


「まずは髪の毛から洗う。」


頭の上に何かが降ってきた。


「今頭の上に降ってきた何ですか。」


「お湯だ。水があたたかくなるとお湯になる。」


「お湯。教えてくれてありがとうございます。」


私の頭の上に降ってきたのはお湯だと分かった。


彼は説明を終えると私の頭の上にまた何かが降った。


「今度は何ですか。」


「シャンプーだ。頭を洗う時に使う。」


「さっきから気になっていましたが洗うって何ですか。」


「まずはそこからか。例えば今だと、頭に付いた物を取ろうとしている。」


「ごめんなさい、よく分かりません。」


「今分からなくてもいつか分かるようになるから安心しろ。」


私の頭を触ってきた。


よく分からないが分からないことが多すぎることが少し気にならなくなった。



気付いたら私の体?を洗い終えていたようだ。


「琴美、琴美?あ、起きた。」


「すみません、私何をしていましたか?」


「寝ていた。話しかけても返事が返って来ないから焦ったよ。」


「ごめんなさい。」


「君はとても疲れているみたいだからもう出ようか。俺も洗い終えたから。」


「ありがとうございます。」


彼と一緒によく分からない場所、お風呂から出た。



何も見えなくなっていく。


「琴美?琴美?琴美?」


必死に体を揺さぶる。


「琴美?あ、疲れて寝てしまったんだな。髪を乾かしてないが今日ぐらいはいいか。」

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