第8話 グレートソード


「ぐにゃ~~」


 レクイエムを遮った、この声はレイン?

 

 見上げると地下室の換気口にレインがいた。


「ぐにゃ~(Φ∇Φ)」


 俺が錬金術室に入って12時間は経っているから、お腹を空かしていたレインは俺を探していた?


 真下を見たレインは2メートルくらいの高さを怖がっている……

 覚悟を決めて飛ぼうとしたが……

「ぐにゃん……(ΦΔΦ)」

 どうやら諦めたようだ……


 俺は全裸のフランケンレデイ(ゼルダ・ヒルトマン)の方を向きなおすと、フランケンレデイはレインをポカンと見上げていた。


 レインのおかげで闘争心が収まっている?

 チャンス!!


「ゼルダ! 早まるな! 俺はオマエを助けたんだ!」


「なに?」


「思い出せ! オマエはギロチンにかけられ死んだだろ!?」


「……なぜ助けた? いったいどうやって死んだワタシを助けることができた?」


 ……俺は、俺の怪物と結婚させるためのにゼルダを復活させたと言ったらフランケンレデイが怒りそうな気がしたから……


「ラルに頼まれた。 俺の魂の錬金術で復活させたんだよ」


「ラルが? 錬金術で?」


「魂の錬金術の代償で、俺は老人になってしまったようだが、オマエが無事に復活できて良かったよ」


 俺はフランケンレデイの裸を見ると……

 なぜだ?

 頭がカーっとなり股間がムラムラする?


 フランケンレデイは俺の股間を睨んだ。


「オメエ……その股間はなんだ? やっぱり変態ジジイだな≪🔵》《🔵≫💧」


「え?」


 俺は自分の股間を見ると……

 おっ? おお~ってる?

 俺の怪物を復活させた代償で前立腺を奪われて以降は性欲すらなかったのに?

 身長も? もとに戻っている?


 あ? 分かったぞ? こりゃ確実に夢だ。


 夢なら、御馳走のフランケンレデイを……


「いただきま~す!」


 俺は両手を広げてフランケンレデイに歩んで抱きつける範囲に接近したとき!


「ふん!!≪🔵≫≪🔵≫」


 フランケンレデイの膝が?


 グチャ💥


 ●✖▲●●✖▲●('Д')●✖▲●●✖▲●

          

「誰が変態ジジイなんかに喰われるか≪🔵≫≪🔵≫」


 おおれの金玉がぁあああああああ……

「ぷあっっっちぁぁ!! ぅぅぅはうううくうううう……」

 このリアルを超えた痛み……

 夢じゃないのか……? ぐううう……


 両膝をつけて地面に頭をつけた俺の頭を、フランケンレデイはグリグリと踏みつけて……


「ふん、ニャンコがかわいそうだから変態ジジイはまだ生かしてやるか。 腹が減っている。 この部屋から出るぞ、出たら先ずワタシのメシを用意をしろ」


「うっ……分かった」


「肉はあるか?」


「ある」


「よっし」


 なんで俺が……こんな酷い事に?

 まてよ、俺の城の中には『俺の怪物(●)(●)』がいる……

 アイツなら、凶暴なフランケンレデイを確実に制圧してくれるであろう……


 急所蹴りで全身の力が抜けていたが、なんとか俺は立ち上がり……


「お腹をすかしてるレインにもゴハンを与えたいんだが?」


「レイン? あのツギハギのニャンコの事だな?」


 フランケンレデイはレインがいる通気口に手を差し上げて優しい顔で、


「ほ~らレイン、こいこいこい~ゴハンが食べれるぞ~~♪ 肉もあるぞ~♪」


「ぐにゃ~(Φ∇Φ)」


 レインをおろした。


 20センチのシークレットブーツから普通の革靴に履き替えて、地下室から出る。

 俺の先導で螺旋階段を上がり、通路を通った時、


「変態ジジイの城は大きな城だし大きな部屋がたくさんあるな? いったい何百人が住めるんだ? 人の気配はまったくねえけどよ<🔵><🔵>」


「これは夢だな? 現実はここまで大きな城じゃない。 それと俺は変態ジジイじゃない。 フランケン・シュタイン博士だ」


  …………フッ、分かった、これからは変態博士と呼んでやるよ」


 ん?


 通路の先祖代々ある飾り物の鎧のグレートヘルムが戻っている?

 俺の怪物に渡したはずなのに? 今はやっぱり夢で間違いない。

 鎧の右手にはでっかいグレートソード?

 あんなの無かったし、間違いなく夢だ。


 俺が飾り物の鎧を通り過ぎた直後、後ろから、


「お? いいもんあるじゃないか?」


 後ろを振り向くと、飾り物の鎧の右手が握っていたグレートソードをフランケンレデイが手に取り、


 ブ――――――ン

    ブ――――――――ン

  ブ――ン


 長さ2メートルを越え、刃まで大きくて重すぎるグレートソードを嬉しそうに持ち上げて……


「おい変態博士! これ気に入ったわ! 使わせて貰うわ!」


 再び、重さ10キロはあるグレートソードを軽々と振り回す姿に、

 俺は冷や汗が出ていた……


「ゼルダ? グレートソードを何に使う気なんだ?」


「あ? 分かり切ってんだろ?」


「分からないのだが?」


「アタシのギロチンでふざけた事をぬかしてたヤツラをブッコロスためだよ……手始めにチョボヒゲのジェイコブからだ…… コレ(グレートソード)で八つ裂きにしてやる……≪🔵≫ ≪🔵≫」


 コイツを早く止めてくれ俺の怪物……

 

 一体どこにいる……?


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