心配

 後輩は喫茶店のレモンティーを飲むのが下手だ。レモンをどのタイミングではずしたらいいのかわからずに、そのままつけているものだから飲もうとしたときには物凄く酸っぱいレモンティーを飲む羽目になっている。

 今もいつも通り、酸っぱいレモンティーを飲みながらギュッと眉を寄せ、目をかたく積むっている。どうやら我慢しているようだ。今日はよっぽど酸味強かったらしい。あ゛ーだとかゔーだとか呻く声を聞きながら笑っていると、「なにわらってんですか」と涙目で言われた。怒ってるらしい。軽く謝りながらバニラアイスをあげると、嬉しそうにしているあたりコロッと機嫌がなおっている。

 ……親戚の子どもより単純で心配になってきたよ俺は。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る