　最近、写真を加工して遊ぶことが私の中でひっそりと流行っている。加工といっても、簡単な文章を付け加えるだけのもの。家族アルバムとかでよくあるよね。写真の横に一言つけられてる、みたいなの。まさにそんな感じで、意外と絵日記みたいで楽しい。

　今日も部室で先輩を待っている間にポチポチ文字を打っていると、いつの間にか背後にいた先輩にスマホの中を見られた。集中しすぎて来たことに気付かなかったらしい。慌ててスマホを電源を落とそうとすると、先輩が「もっとこういうの、ないの？」と聞いてきた。「ありますけど……」と言えば、「見せて」と返ってくる。日記を見られている感じがしてどうにも落ち着かないが、そのままスマホを渡して見てもらうことにした。しばらく時間が経つと、先輩は満足したのかスマホを返してくれた。そして、「今見た写真たち、俺にもくれないか」と言った。少し悩んだけれど、先輩が写っているものもあるし、そもそも見られているからもう隠すことでもないなと思って、すぐに写真を送る。先輩はありがとうと呟いて、トークルームに出来たばかりのアルバムを見て、嬉しそうにしている。こんなものが洗を笑顔にさせるのか、なんて。先輩も思い出を大切にしてくれているようでちょっと嬉しい。