第103話 アドレス
きみが
僕の番号もアドレスも
消してしまった、って
アイツがわざわざ
教えてくれたんだ
悲しかったけど
でも、知らなかったら
ずっときみからの連絡を
待ってしまっていたから
······これで良かったんだよね
僕は
いつ
きみのアドレスを消せるかなぁ
いつかは僕も
消さなきゃいけないよね
さすがにもう
坂の上から
きみの部屋の灯りを見つけるなんて
してはいないけれど
ねえ
僕には
まだ消せないよ
細い糸のような繋がりでも
まだ切れない
きみとの糸を
まだ切れないんだ
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