第102話 僕のセカイ

悲しくて淋しくてこぼれる涙さえ

温かいんだと気づいた時

僕のセカイが生まれ変わったんだ



背筋を伸ばされるような朝陽の凛々しさに

澄みきった青空を流れていく風の爽やかさに

懐かしい恋の香りを連れてくる夕陽の切なさに

見上げた月の美しさに

寄り添う星たちの光の優しさに


そして

きみが紡ぐ言葉の持つ楽しさ、明るさに


それらに、心が震えること


たくさんの

この世界の美しさを

きみは教えてくれた

そう

今、僕の心を震わせるのは

きみが僕にくれた新しいセカイだ



僕の心の糸が新しく染められて

それを使った布も知らなかった色に織り上がる


僕の心に降り積もる言の葉の雪は

やっぱり真っ白だけれど

その向こうの空の色

吹く風の匂い

恋しさも愛しさも

この淋しさも

すべて

きみが新しくくれたもので


すべてが

僕の新しいセカイだ




ありがとう

大好きなきみがくれたセカイを


大切にするから



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