第70話 言の葉に想いを込めて

言葉には

想いを込めることができて


願いを込めることもできる


そうして

命を吹き込んだ言葉は

翼を持った言の葉となって

何処へでも飛んでいけるかしら



あのひとの許へ

この言葉を届けたくて


あたしの想いを届けたくて


あたしの愛をも

できることなら

届けたいと思ってしまう



微かな

密やかな

この想いが

まだあのひとに届くなら


もしも

ふたりの間に

まだえにしが繋がっているのなら

たとえ

それが蜘蛛の糸のように細いものであっても



飛んでいって

抱きしめて

強く、強く抱きしめて


あのひとに伝えたいの


好き、と

大好き、と





逢いたいと

どんなにか願っているかと






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る