第47話 優しくあたたかいもの

朝、目覚めれば

あの人は起きたかな、と思い


夜、月を見れば

あの人も見上げるだろうかと思う


こんなにも

こんなにも

あたしの中を占める存在に

思い惑い

狼狽えたこともあったけれど


もう

この気持ちが

恋なのか、愛なのかなんて考えない



ただ


春に桜をゆったりと舞わせるような

優しい風が

いつも

あの人を包んでいますように


あたたかい心の人たちが

あの人を囲んでいますように


そう願っている



あの人が

笑顔で穏やかにいられるのなら

他には何もなくていい


ただそれだけで

あたしも心平らかに

いられると思うから



どうか

優しくあたたかいものが

あの人を包んでいますように


いつも

いつまでも






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る