第3話 お別れの日

お別れの日

さよならは言わなかった


あたし達が別れることは

まるで当たり前のことのようで

まるで最初から決まっていたことのようで


最後の最後も

「元気でね」と

笑って手を振った



だって

あたし達の行く道は

初めから違っていたし


だって

あの人には

隣に立つ人がいたし



だって

あたしは

本当にあの人が大好きだったから


さよならは言わなかった




そう

あたしは

本当にあの人が大好きだったから

さよならは、

言えなかった




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