思い出の中の、あなた。その想い。

crazy’s7

思い出の中の、あなた。その想い。

第一章:佳奈編

0・『あなたへ』


────あなたから手紙が届くたび、わたしは罪悪感でいっぱいになる。

それでも、嬉しかったことは忘れられない。



今、あなたは何をしていますか?



あなたもきっと、わたしの立場を理解して”詩”としたのだと思う。まるでそれは、和歌や短歌のように。いつも、どんな風に返歌をしたらよいのか考えていた。隠さなくてはならない互いの想い。


────わたしたちは何処までも両想いで、結ばれてはならなかった。

でも、止められない想いはやがて終焉へと繋がってしまう。


結ばれることを願わなければ、きっと。

今でも傍に居られたでしょう。


時が過ぎ、何年も経ち再び心に宿る想い。

あなたはきっともう、忘れてしまっている。


────世の中には、結ばれないからこそ強く思い続けられ、綺麗でいられる恋の形もある。


あなたのくれたもの、まるで宝石みたいにキラキラ輝いて。

互いにぶつかり合って、壊れたことも今では思い出。


せめて、今のあなたが幸せでありますように。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る