天照の怪物
のん
第一話・プロローグ
「殺される……!」
「早くアレから逃げるんだ!!!」
2XXX年、地球上に新たな生物の発生が確認された。政府はその生物を「モーテラ」と命名。
その後、大量発生したモーテラは地球上の生物の殺戮を開始。
生き残りの人類は約一億人に。生物も半分ほどの種類が絶滅してしまった。
世界の存亡の危機を受け、政府はモーテラを閉じ込めるための専用区域・「ノマエラ」をつくったのちに、モーテラの研究を開始。
数年後、幾度となく重ねた研究の末、モーテラ対戦闘用の能力を授け同等に戦えるようになる薬、「キュアース」の開発に成功。
しかし、それは十五歳〜二十歳以下の人間しか耐性を持っていなかった。
政府は、キュアースにより力を授けられ、訓練を受けた高校生を約五年間、ノマエラに派遣しモーテラを倒すことを発表。
厳しい試験と選考の末に全国から選ばれた高校生達は、キュアースにより力を授けられ、全国三ヶ所の養成所で訓練を開始。
数十年の時を得て、モーテラは再び出没するようになった。
政府は世界のため、モーテラの絶滅に向けての天照との合同研究を開始することを決定。
そんな中選ばれた十人の子供達。果たして彼らは世界を救うことが出来るのか___
机と椅子が無造作に積み上げられているだけの教室に、二人の男がいた。
「どんな子達が来ると思います?」
「んー、世界を変えてくれる子達、じゃないかなぁ。絶対そんな気がするんだよね。」
「貴方の勘がそう言うなら、当たりますね。」
一人は新たな変化の予感に胸を躍らせ、
もう一人は次世代の子供達に想いを馳せていた。
***
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