第31話 おなじお蕎麦の文化でも…


 よく関西はうどん、関東はお蕎麦といわれます。

 しかし、蕎麦でも地域によって大きく違います。


 東京と新潟、あと長野、山形

 全部比較するとたくさんになるので、東京と新潟の違いについて書きます。


 ・蕎麦のつなぎ

 新潟の大きな違いは、つなぎに使うものが多種多様だということです。

 代表が、魚沼地区の「ふのり」。海藻です。これは織物産業に使う海藻ですが、そばに使ったらコシのある麺ができたからです。


 その他に「オヤマボクチ(ヤマゴボウ)」が使われます。これは笹団子で餅にねりあわせる野草としてもつかわれます。笹団子はヨモギのほかオヤマボクチを練り込むお団子です。


 東京ではあまりこれらを蕎麦のつなぎに使うことは見られません。


 ・わさびか辛子か

 東京では薬味にわさびを使うことが多いですが、あと唐辛子でしょうか。

 新潟では、わさび、唐辛子、あと洋辛子も薬味につかうことがあります。


 ・つゆ

 東京はやや硬水のため、出汁がやや出にくい水質です。

 新潟は軟水のため、出汁をきかせたそばつゆが提供されます。

 よく東京では、そばをさっとつけて食べるといわれますが、新潟ではお出しの効いたそばつゆなので、どっぷりおそばを漬けても問題ありません。


 ・もりつけ

 これが一番大きいかとおもいます。東京ではざるに盛り付けますが、

 新潟では「へぎ」と呼ばれる入れ物に盛り付けることが多いようです。

「へぎ」とは容器のことです。へぎぞばといわれますが、「ざるそば」と同じ意味だととらえてください。


 そして、新潟では「てぶり」といってほとんどの蕎麦店では、一口サイズにまるめて、きれいに盛り付けて提供されます。

 これは長野県の北部と新潟でみられる方法です。

 東京ではドサッとざるの上にもりつけるのが一般的です。


 ・冬でも冷たいそば

 新潟では温かい麺類のような形で提供する形もありますが、そば店でそれを頼むのは子供です。大人は冬でも冷たいそばです。

(駅などの立ち食い蕎麦、社員食堂などは効率から温かい蕎麦ですが)



 新潟駅周辺では魚沼の方法のそばを提供するお店の一つとして、


「須坂屋そば 新潟駅前店」(新潟市中央区弁天1丁目4)


 新潟駅から歩いて3~5分程度。小千谷市に本店があるお蕎麦屋さんです。

 新潟に来たら、関東とは違うおそばを楽しんではいかがでしょうか。

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