第2話 ご利益は「あなたを行かせない!」神社とお大福

「湊稲荷神社」(新潟市中央区稲荷町3482)


「恋人が去っていかないようにする」というがんをかける神社です。

 下町しもまちといって、海に突き出た形をした新潟の街の先端のほうにあります。

 路線バスでは新潟駅万代口から入船営業所行きというバスが通りますが、観光循環バスで行くことができるのでこちらが便利でしょう。



 時は、江戸時代。

 船乗りや商人たちがたくさん新潟の港にやってきました。

 中にはその男達と恋仲になってしまう芸妓さんや遊女さんもいました。

 男たちは時がたてば船に乗って港を出ていきます。

 では、男たちが去って行かないようにするにはどうすればいいか。

 港の女の子達は考えました。


 海が荒れれば、出港できない、と。(江戸時代の当時は帆船ですから)


 そこで、船出の日が晴れるように祈った、この湊稲荷神社の狛犬こまいぬを、女子たちは逆に向けたのです。

 海が荒れるように、と。

 それで江戸時代から花柳界でも深く信仰をあつめてきました。


 それが転じて、今日も「彼氏が去って行かないように」願い事をすると受け継がれています。江戸時代から脈々と。



 この神社の近くに「さわ山」という和菓子店があります。

 ここの大福は、まわりのお餅の部分が薄くて中にたくさん餡子あんこが詰まっています。

 この神社が花柳界の信仰があったということもあって、この大福は女性に大人気。もちろん男性にも。

 神社に参拝のあとは、和菓子をどうぞ。

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