【No.4】『King Arthurの系譜』中田もな

中田:企画終了2日前に完結させた、計画性のない拙作です。



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https://kakuyomu.jp/works/16817139559147945453



小柴:とっても雰囲気がステキな作品でした。ケルトのちょっと陰鬱な、暗い雰囲気のなかにファンタジーと史実が混ざりあっている感じ。丁寧に調べられた歴史や文化が、小説に重厚感を増して味わい深いです。読んだあと、しばらく余韻を楽しみました。

 これって、アーサー王が若い頃の話なんですよね?


中田:はい。エムリス・ウセディグはアーサー王の元ネタ(と言われていたり、いなかったりする)です。おそらく、ローマ読みの「アンブロシウス・アウレリアヌス」の方が有名かな。

 実は、未来でメドラウドが擁立する(予定)の王は、あのヴォーティガンなんです。本編で名前は出てきませんが。

 つまり、アンブロシウスがアングロ・サクソンと戦った話(ベイドン山の戦い)と、ヴォーティガンがアングロ・サクソンを招き入れた話を、裏でひっそりと掛けているんですよね。ちょっと……、いや、かなり分かりにくいですけど 笑



※余談ですが、エムリスの次に即位する王を、アーサー王伝説を尊重してコンスタンティン王にするか、「アングロ・サクソンを招き入れた」ことを優先してヴォーティガン王にするか、かなり悩みました。結局、名前は出さずじまいだったのですが。



小柴:へぇ~、そうだったんですね! 確かにこの時代なら、本当にサクソン人を仲間に引き入れようとする人もいそう。メドラウドがそっち派だというのもピッタリです。でもエムリスやマルジンなら否定するだろうな〜、と納得しかない設定でした。


中田:あ、そうだ。この話、何でBL風味なのかというと、この企画と同時並行で、BL系の企画にもお邪魔していたからです。アーサー王伝説って、結構「男の友情pppパワaaaー!!」(ランスロットとトリスタンとか)みたいな話が多いんですが、それはそれとして、BLっぽく書くのは大変でしたね。


小柴:なるほど、そういうことでしたか。


中田:ちなみに没案として、「シャロットの乙女(エレイン)が夢の中で性転換して、ランスロットと一緒に冒険をする」ってのがあったんですが、「女が夢で男になってるのは、果たしてBLなのか?」という超難問にぶち当たったので、あえなく却下となりました。


小柴:え~、私はアリだと思うな~! 笑


中田:今回、メドラウド(モードレッド)をドルイド僧として描いたのですが、これは私が独自に思いついた設定ではないです。モードレッドが魔術師ポジションの話はいくつかあって、例えば『キング・アーサー』(2017)なんかもそうです。あ、そう言えば、『キング・アーサー』(2004)では「ベイドン山の戦い」が出てきますね。


小柴:メドラウドがアーサー王の息子になったのも時代が下ってからですもんね。実際にドルイドだった可能性も……?


中田:実はここだけの話、エムリスが死ぬところまで描きたかったのですが……。途中で力尽きました 笑


小柴:いや~本当に、「ここからどうなっちゃうの!?」って思いながら読み終えましたよ 笑 その後何があったのか……、読みたいです!!


中田:一応、終盤のゲーム(グウィズブイス)の下りに関して、補足しておきます。「naw」でマルジンが自分の戦いを「グウィズブイス」に例える場面があるのですが、あれは伝説ネタがモチーフです。分かりにくいかもしれませんが、気づいてくれたら嬉しいです。



※ゲームがキーアイテムとなる話は色々あるのですが、中田は「ロブナイの夢」(「カムリに伝わる4つの物語」より)が好きです。



小柴:でも結局、エムリスはマルジンの気持ちに気づいているんですかね? 最後のシーン(「naw」)で、抱きついてましたけど……。


中田:そこら辺、気になりましたか。実は、私もよく分かりません 笑 「鈍感」って言っちゃえば、それで終わりなんですけどね。


小柴:笑

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