読まなきゃ損!稀に見るほど良質なライトノベル

私も狂ってしまったのか、初レビューのくせに長くはなってしまったので、端的にまとめると以下の通り。

①このジャンルとしては、シンプルかつ高品質→読み進めやすい
②登場人物がよく描かれている→読み進めていて面白い。
③更新速度が一定→安心感がある


以下、長文レビューとなります。
ご了承ください。



漫画やアニメ、ライトノベルの定着化やインターネットの普及、読み手の年齢層が拡大していることに伴い、誰しもが手軽に小説を書けるこの時代において、自分自身が求める読み物に遭遇するのは年々難しくなっている気がする。

この小説はそんな中で、読み手にとっては「手軽さ」と「質」のバランスのよい、稀に見るほど良質なファンタジーノベルであると感じる。
私は自信を持って皆さんにお勧めしたい。読まないと損とも言える。

このような「主人公が領主」×「配下がチート」×「領主自体もチート」というジャンルは珍しくもない。このようなジャンルの特徴は、主人公が領主という状況なだけに、「政治」「宗教」「金」「権力闘争」「領民」「内政」が主要テーマとして必要不可欠であり、この点が複雑に絡み合うことで非常にややこしくなり得る点、複雑がゆえにしっかりした設定が必要になる点を挙げる。

本小説は、上記に挙げた一部の設定をある意味、「乱暴に投げ捨ててしまう」という暴挙に出ている。ただし、この暴挙により、結果として本ノベルをよりシンプルに、より自然に目立たせたいテーマに焦点を絞られせることに成功している。
(ファンタジーなので、ある程度の暴挙は設定として流せることも強みか…?これも作者様の力量を感じる)

さらに、このような小説では、登場人物が濫立するがゆえに「登場人物のキャラが薄まる」「一人一人のキャラが見えなくなる」「俺Tueeeすぎて説得力に欠ける(例:主人公の考えなどが単純が故に、主人公周りの人物にポンコツさを感じてしまい、痛く感じる)」などの弊害を感じる局面があるが、この小説では個々の登場人物が輝いて見えるくらい、主人公を含めた登場人物の個性が非常に丁寧に描かれている。作者様が構想や登場人物に対して真剣に向き合い、悩み、愛情を持って描いていることがよく分かる。


最後に、更新速度が一定であり、安心感を持って読み進めることができる。

今後の進展にますます期待してやまない。皆さんにも一度、読んでいただきたい。

みんなで狂おうぜ!(ここだけネタバレか?笑)