第10話 そして、始まりの日 その4

「猫カフェ、いいかも」


実家最寄り駅からの帰り道、歩きながら、ふと、思った。


今日、はっきりと感じた。

初めて、嬉しそうな声が聞こえた。

あれは、何か、ネコ科の動物?の鳴き声だった。


私の中に居るのか、何処か遠くから聞こえてくるのかはわからないけど、嫌なものではなかった。


「また、行ってみよう」

少し落ち着いた私は、あの猫カフェの年末年始の営業時間をネットで調べ始めた。

「あ、年末は明後日までか〜」


明日と、明後日と、どちらに行こうか悩み始める私。


「そうだ、両方行こう」



ー −ー−ー−ー−ー−ー−ー−ー−



『*$%#、聞こえる?』


『………』


『*$%#、無視しないで』


『名前で呼んでいいのは、番いになるか仕える事になった時だけです』


『なんだ、やっぱり聞こえてるじゃない、久しぶりね、*$%#』


『 … こちらの時間で2,000年ほどぶりですね』


『コッチでは、ほんの一瞬よ、細かい事はいいからお願いがあるの、聞いてくれる?』


『 … まだ、諦めて無いのですか?』


『勿論、諦めないわよ!早く私と子作りしましょう。でも、違うの。貴方のところに五月が行ったでしょう、ちょっと手伝ってほしいの。今日行った女のコよ』


あの、挙動不審な子かな?膨大な魔力、ダダ漏れの。

でも、普通の人間は、魔力持ってても魔法、使えないからな〜


『私達を召喚させてほしいの、大急ぎで!』

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