第四話 【菜花サイド】……宝石の謎。
Mission 010 一人立つ精神だけれど。
――そう思って、僕は動いている。捜査の基本は現場百回だから、今ここにいる。
そこには
思えば、よくここが解ったものだ。僕もだけど凛も。そして凛は、
「捜査は、凛の役目。あんたは凛の指示があってから動く。情報屋の仕事は、昨日今日かじったばかりのひよっ子にできるほど甘くないんだ。解ったらとっとと帰る。
と言い放つ。凛は情報屋でもベテランの域……そんなことは解っている。凛から見れば僕らはひよっ子と言われても当然だけど、修羅場は何度もあった。命に係わること。
そんなのは日常茶飯事……
生まれ変わったと思える程に、死にかけたことも。千歳と僕は運命共同体だから。
「
振り向けば千歳だった。しかもここは学園の外ということもあって、
「千歳、駄目じゃない勝手に学園から出たら。僕と一緒じゃなきゃ駄目って、あれほど言っただろ」と、怒った。千歳はすぐさまプンプンと「菜花はずるいよ。僕に黙って勝手に。情報屋のお仕事でしょ、現場百回。それでもって凛に怒られたんでしょ、そう顔に書いてあるよ」と、何もかも当たっている。御見通しってわけだったの。
「僕に誤魔化しは通用しないよ。菜花は抜け駆けしないと僕に約束する、今ここで」
と、おまけに約束させられた。僕はフッと、和やかな心境になって、
「わかったよ。約束します!
「うん、よくできました。破ったら、ハリセンボン飲ましてやるから」
……こんな具合に、僕らはパートナーの意識確認を今一度、この場で行ったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます