教室の空気から感じられる、ほんの少しだけ日常から外れようとする空気感、玄関の冷え込み、一転してお外に出れば暑さと夏の放課後特有の開放感やワクワク。そういったものを肌で感じられる素晴らしい文章でした。友情と、それ以上かもしれない感情と。その揺らぎは海辺の空気にも、波にも溶け込まず、ずっと心の中で揺蕩うのでしょう。
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もちろん実際に余白があるわけではないのですが、適格かつ端的な描写の文章が心地よいです。事細かく説明するのではなく、読み手に想像させるような書き方はすごく勉強になりました。