第3話 死の大地
或る日、全ての色を消す眩い光が世界を襲ったかと思えば、空から轟轟と燃えるたった一つ隕石が落ちて来た。
数多く居る剣士たちは破壊せんと立ち向かった。
水の刃、金の刃、火の刃、木の刃、土の刃。
これら五種の力を宿した刃で国の脅威となる自然災害を破壊してきたように。
破壊できるのだと。
信じて疑わなかった。
が。
破壊したのは、剣士が持つ刃であった。
たった一つの隕石は数多の刃を砕いては地表にめり込むと、そのまま地中へと潜り込んで糸のように細い根を張り巡らせて、地の養分をやおら吸い取り、徐々に、ゆっくりと、死の大地へと変貌させていった。
人々は戦慄した。
が。
脅威はあるものの、次から次へと隕石が落ちてくるわけでもなく、範囲も狭く、時間も多く要していたので、国王は国民に冷静に行動するように願い出ると同時に、早急に打開策を見つけ出すように命じた。
剣士や刀鍛冶、魔女、魔法使い、そして竹職人に。
三年後。
竹職人が、空から落ちて来る隕石も、すでに落ちてしまった隕石も破壊できる竹の刃を創生。
死の大地へと変貌した場所も時間を要すれば復活した事で解決。
また平和な世界が戻って来た。
七年後。
多く居る竹職人が時の国王に惨殺されるまでは。
平和なままだったのだ。
(2022.9.18)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます