第2話 めんごめんご




 どうして魔女が下っ端の剣士である俺にこの任務を託したのかは分からない。

 けれど、下っ端とはいえ、俺も剣士だ。

 任務遂行は絶対。

 しくじれば、蛙。

 絶滅危惧種の、蛙。

 いやまあ一瞬。刹那。蛙になってもいいかな~なんて錯乱したけど。


「いや~。めんごめんご。ほら~。わししか竹のたけのはを創れないって、国王とか魔女とかが重圧かけてたじゃない?けどわし老人じゃない?老い先短いじゃない?だからさ~。若返ってさ~。少しでも多く竹の刃を創ろうとしたわけだよ~。十代後半から二十代前半を予想していたわけだよ~。なのにさ~。まさか」


 十歳未満になるなんて予想外だよね。

 俺のおへそ辺りまでしかない身長で、ぷくぷくとした身体の竹職人が舌を出してウインクをする様を見た俺は、一度目に負けないくらい絶叫した。


 やっぱり人間がいいです。











(2022.9.10)


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