転生したらボディーガード一一族でした。

西川修平

第1話 目が覚めると赤ん坊に

「おぎゃぁっ! おぎゃぁっ!」

「よく頑張られましたね! 元気な男の子ですよ!」

「あぁ……! 私の子っ!」


ガラッ!


「産まれたか! 俺の子はどこだ!?」

「ちょっ、旦那さん!? 外でお待ちくださいと言いましたよね!?」

「あんな元気な産声を聞いたら居ても立っても居られないだろ! それでどこだ? 俺の可愛い子は!」

「ああもうっ! おめでとうございます! 元気な男の子ですよ」

「おお! そうか!  ……っっ! なんて可愛い子なんだ、よく頑張ったな鈴鹿!   お前に似て綺麗な顔立ちをしているぞ! きっと将来は美少年になるな」

「ふふっ……嬉しです。この子の名前は決まっているんですか? 内緒と申されてずっと気になってたんですが……」

「勿論だ! この子の名前は蓮司! 風間蓮司だ! 立派な護衛になるだろう!」





平凡な人生だったと思う。

中流家庭に生まれて両親から愛情をもらい、そこそこ普通の大学に入学し優良企業に入社することができた。

社会人になってから3年ほど経つと仕事にも慣れ後輩もでき、両親からは結婚を示唆されるような年齢になった。


相手がいないことにはどうしようもないだろ。


そんな言い訳を両親に言う日々。

これで30歳手前に結婚ができれば、実に親孝行な息子なことだろう。


しかしそんな日々は終わりを告げる。


よくあるトラックが突っ込んできただの、過労死したら目の前に神様がいただのそんな不思議体験をした訳ではない。


本当だ。 本当に寝て起きたら赤ん坊になっていた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生したらボディーガード一一族でした。 西川修平 @shuheialpha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ