Colorless Country

蒼空

プロローグ

 つい先日王国全土が待ちかねた第一皇女が生まれた。

王妃によく似たクリっとした青い瞳に陛下と同じ金色に輝く髪、エミリーと名付けられた僕の妹。

僕はアレク、この王国の第一皇子。

「はぁ~っ可愛いな。」

妹を見ながらつぶやく。

「金色の髪いいな~。」

自分の肩ほどの髪をいじる、僕は母譲りの栗毛にインナーカラーの青で瞳は片方ずつ受け継いだ…妹の見た目が羨ましい。

その日は一日中エミリーを愛で続けてた。


1年後

今日はエミリーの一歳の誕生日。

僕の可愛い可愛い妹のお披露目パーティーが催された。

僕は皇太子として陛下の隣で参席する。

陛下の膝上にはエミリー、国中の貴族たちが謁見してるのを眺めていると隣国に住むひねくれ者の魔女の番がやってきた。

「この度はおめでとうございます、我から皇女様へささやかな贈り物を差し上げます。」

懐から杖を出し呪文を口にする。

「カラレスカラレスモノクロージュ。」

杖を振った瞬間周りが色あせていく、貴族たちの絢爛なドレスや装飾やすべての色が白黒になってしまった…。

「ふっはははっ、色褪せた暗い王国を皇女様へ差し上げます。」

「貴様何をするのだ!今すぐ戻せば減刑してやる。」

怒りに満ちた声で陛下が言う。

「嫌ですよ、ただしヒントは与えます。色を取り戻したくば我が王国に召還した魔物達を倒せ、さすれば戻るかもしれないぞ。ではさらば!」

コウモリへ姿を変え王宮を飛び去ってく。

「っく!あの魔女め絶対許さん!」

怒りに震える陛下。

「父上、僕も許せません。僕が倒しに行きます。」

「アレク…わかった、気を付けていってこい。」

「ありがとうございます。」

陛下の許可を貰い愛する妹の為魔物討伐の旅に出ることとなった。


翌日早速準備をし城門へ来た僕。

「では行ってまいります。」

城を振り返り挨拶し城下町へ向かうのであった。

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