第7話 生活基盤について考える
暇だ!
「暇だから、サリーちゃん、見てあげようか?」
今一瞬、凄く嫌そうな顔をしたな。
「遠慮しておきます! 能力が本物なのは解りましたが、自分の過去を知られるのは嫌ですから…絶対に勝手に見ないで下さいね!」
確かに女の子からしたら、親しくも無い男に自分の過去を知られるのは嫌だよな。
普通に考えて当たり前だ。
レッカさんはあの後、幼馴染に告白。
そのまま、見事に交際までいき、近く冒険者を引退するそうだ。
ちなみにレッカさんはBランクの冒険者。
このギルド的には結構痛いそうだ。
そして俺はレッカさんから、感謝されギルド経由で大量のオークの肉を貰った。
暫くは焼賃だけでオークステーキが食べられる。
食費が少し浮いた。
サリーちゃんに聞いてみたが、これはお礼だからセーフだそうだ。
ちなみにサリーさんから、サリーちゃんと呼び方を変えたのは彼女が年下だと解ったからだ。
まだ無料の人生相談は行っているが、芳しくはない。
だが、最近、新しいビジネスチャンスに気がついた。
それは『密告』だ。
異世界は安全な日本とい違い、盗賊も普通にいるし、犯罪を起こして賞金首になっている者も居る。
それらの人間は偽名を使ったり、偽装をしながら生活をしている。
魔道具を使い鑑定魔法をも誤魔化し生きているが、俺の能力は欺けない。
霊視して見れば、守護霊が嫌な顔をしているのが解るし、どうにかしたいのか俺に『密告』してくる。
守護霊が見放す。
そこ迄の人間なのだから、絶対に真面な人間じゃない。
既に数人、そういった人物を見つけたが、傍に長くいれるチャンスが無く詳しい事が守護霊に聞けない。
話がきけないと『何をしたのか解らない』
守護霊が見放す位のクズでも『ギャンブル癖』『女癖が悪い』『酒癖が悪い』程度なら賞金首じゃ無いからお金にならない。
一応サリーちゃんに話を通した。
「仁様の能力を見た私は信じますが、普通に考えてそんな話誰も信じません。もし『証拠』を掴む事が出来たら教えて下さい。捕まえる冒険者と折半で宜しければ捕獲はギルド側に任せて頂いて大丈夫ですよ!」
仕事モードの時はしっかりと仁様になるんだな。
「それじゃ、その時が来たらお願いします」
「はい、畏まりました」
まだ、全然うまくいかないが、これで一つ仕事を増やす事が出来た。
『人生相談』に『賞金首探し』
あと考えているのは『情報屋』だ。
俺のアドバンテージは『霊』と話せて仲良くなれる事だ。
『霊』と会話できるのだから生きている人間以外から得られる情報には貴重な物もある筈だ。
この三つを主軸に考え、プラスしてこの世界で霊を『拾う』事を生活に取り入れる。
これで、どうにか生活出来るかも知れない。
とはいえ…まだゴブリンの討伐費用しか稼いで無いけどな。
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