『異世界霊能者』守護神様と共に! ~異世界で人生相談始めました~

石のやっさん

第1話 追放されるまで

俺は一人トボトボと街に向かって歩いている。


何故、そんな事になっているのかと言うと簡単に言えば『召喚されて追い出されたから』それに尽きる。


よく言うクラス転移で、東雲大付属高校の2年B組クラス28人全員が対象だった。


そして、その転移の際に皆が女神からジョブを貰うなか、俺だけが貰えなかった。


「貴方の体、何故かジョブが入らないのよ! それでどうにか翻訳と収納魔法だけは授けたけど…他は無理諦めて」


と自称女神イシュタスがふざけた事を言い出した。


「なら、元の世界に返してくれ!」


「それも無理!返すなら全員返すしか無い、そんな事、犠牲を払ってまで召喚した、ガンダル国の人に悪いから無理! それに他の人は行きたがっているわ!」



「俺異世界に行って英雄になるんだ」


「俺はハーレムを作る!」


「貴族の人との結婚、たまりませんわ」


ハァ~これは


無理だな。


このクラス、ライトノベル好きな奴ばかりだった。


「それに、貴方が行かない事で、皆が異世界に行けなくなって、更に異世界の人が困るのよ…諦めなさい!」


この女神、髪がピンクで可愛いんだけど、絶対に…


まぁ良い。


神なんて物には流石に逆らえない。


「仕方ないから行きますよ」


俺は仕方なく、ジョブを貰えないまま異世界に行く事になった。


そして、当然のごとく、召喚された国ガンダル国で、水晶を使った鑑定の結果、ジョブ無しが解り追い出されて今に至る。


正直恨んで良いのか微妙な対応だ。


女神イシュタスは凄く性格は悪いと思うが、自分の世界と天秤に掛けたら、無理にでも行って貰わないと困るだろう。


クラスメイトは、何故か中二病モドキが多いから、異世界に行きたいと普段から言っていた。


ある意味多数決で負けたわけだ。


そして俺を追い出した、ガンダル国の王様と姫…名前ももう忘れたが、一応、国が発行する身分証明書と金貨10枚と小剣と服を俺に渡してきた。金貨10枚は約100万円と考えると前の世界でいう『慰謝料100万円払った』そう言う事だ。


これから先の不安はあるが、もうどうする事も出来ない。


正直、最悪としか思えないが、これで『誰を恨めば良いんだ』


物語でいう『ざまぁ』まで出来る相手はいないよな。


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