魔絆転写!!~絆発掘~

DITinoue(上楽竜文)

プロローグ

「あー、もうやってらんねぇよお前! 何でこんな俺に従わねぇんだ! ちゃんと俺の言うこと聞け!」

「ギャーギャー! グルルガガ。ギーギー!」

 ああ、今日も揉めてるし。

「だから、お前、いい加減にし――」

「グハーッ!!」

 ――あっちでもこっちでも。ああ、どいつもこいつも。

 あっちでは人間とグリフォン、こっちでは人間とドラゴンが争ってる。

 やったりやられたり。


 しばらく行ったところの草原地帯では酷いことになっていた。

「お前な、もう許さねぇ。お前はもういらねえんだよ!」

 といって、男がアンズーに殴りかかった。アンズーもキレたのか、ライオンの頭で噛みついたり、タカの足で引っかいたりする。

 だが、最終的には魔法を使って男がアンズーの動きを封じ、ナイフを使ってアンズーの首を刺した。


 それから、しばらくしてまた戻ってくると、アンズーを殺した男はバーベキューをしていた。

 我には見当がついた。あの肉は、アンズーの肉だろう。 

 ――これは、父君に知らせねばならんな。

 我は対策を練るため、王宮を目指して馬車を走らせた。

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