第16話 誰かと比較するという苦しみ

『僕らが保健室出身のワケ』16話

橋本京香はダイゴのコンサートで勇気を貰い、web小説のコンテストに自分の小説を応募することになった。

橋本京香は最近、花岡美咲に連絡をとっても彼女からの連絡はなく、心配していた。田島先生にも美咲のことを聞いたが、田島先生は言った。

『きっと、具合が悪いのよ。もう少し待ってみましょう』

それを聞いて、京香は分かりましたと返事をした。そして、京香は田島先生に自分の小説の話をし始めた。

『先生、聞いて。私ね、ダイゴの歌を聴いて思い立ったの。私、自分の書いた小説をコンテストに出そうって思い立ったの。全部全部ダイゴのおかげ...ダイゴの歌が私に勇気をくれたの』そんな笑顔を見せた京香に、田島先生は良かったねと言った。

花岡美咲が保健室に来なくなってから、2ヶ月が経った。

田島先生は花岡家に電話をした。

『プルプル...石破高校の田島と言いますが、美咲さんの具合は大丈夫でしょうか?』

電話に出たのは花岡美咲さんの母だった。

『あっ、田島先生。ご無沙汰しています。美咲の具合は平気だと思うのですが、ずっと部屋から出てこなくて、私としても何があったか分からないんです。あの日からずっと家に帰って来てからトーンがずっと暗いままなんです』

田島先生は言う。

『あの日というのはいつですか?』

花岡美咲さんの母は言う。

『確か...ダイゴくんという方の歌を聞きに行ってからですね。その後からずっと家に引きこもっているんです。私には何も言っていないんですけど、妹には何か話したみたいで、妹に代わりますね』

受話器を花岡美咲の妹へと母は手渡した。

妹はもしもしと話し始めた。

『こんばんは。妹の花岡由奈と言います。ねぇねとはめちゃくちゃ仲が良いです。あの日、ダイゴさんの歌を聴きに行くときはめちゃくちゃテンション上がってたのを覚えています。でも、帰ってきたらねぇね、テンション下がっててどうしたの?って聞いたら、『ダイゴくんはいっぱいいっぱい頑張ってそれでこんなにも人を感動させていてすごいなぁ』とか『私と彼では何も持っているものが違いすぎて泣きそうになる』とも言ってました。ねぇねはいつものねぇねに戻ることは出来るんですかね』

それを田島先生は聞いて、花岡由奈ちゃんに言った。

『大丈夫よ。きっと美咲さんは今戦っているんだと思うの。私たちで彼女を支えましょう』

花岡美咲の妹は電話口でうん。と答えた。

花岡美咲の母に変わり、美咲さんが今までどう保健室で過ごしてきたか田島先生と話し合いを設けることになったのだった。これから、どうしていくかも含めて、話すことになったのだった。

次の話は花岡美咲さんの母親が田島先生と保健室で話し合う話である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る