NO.5 帰宅路
魔高の近くには、
魔法と魔術に関する公共施設が存在する。
その名も『魔導大図書館』
そして、魔法と魔術をまとめて『魔導』と称する。
『図書館』と名前にあるが、
図書館であるだけでなく魔導に関する施設でもあり、
一般人からお偉いさんまで、誰でも利用可能。
魔導大図書館には他にも需要がある。
それは―
>ーーーーーーー<
「……よし、明日の分の食材も買ったし、
寮に帰りますか!」
私たちはスーパーの自動扉を抜けながら
外の道路に出る。
「うん!今日も夜ごはんのおてつだいをするね!」
「ふふ、ありがとう!」
アヤちゃんはほぼ毎日、夕食の手伝いをしてくれる。
代わりに私は料理のコツやポイントを教えている。
私にとっては、
二人で料理を作るのが一日の楽しみになっていた。
「よーし!はりきってロールキャベツを作るぞ!」
と心底嬉しそうにアヤちゃんは言った。
「アヤちゃんは、
ほんとにロールキャベツが好きだね!」
「うん!
スズ姉が初めて作ってくれた
ロールキャベツのおいしさが忘れなれなくて……!
あの日は……」
続くはずの言葉は途切れ、
近くの大通りから悲鳴が聞こえた。
「どうした!?」
「スズ姉!」
私たちは大通りの方向へと
瞬時に振り返りながら言い、
大通りの近くにいた人々が、
スーパーに隣接する一本道へと
一目散に逃げてきているのを見た。
……まさか
『呪術師』が……!?
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