睡眠

 二人で仲良く家に向かっていた。

 

 するとまたあのカラスみたいなコウモリみ

 たいな鳥がやってきた。

 

 木のこかげから

「おい」

 とオレたちは、呼ばれた。

 

 …え?

 どこ?ってオレは最初思ったけどサキュバ

 スがすぐに気づいた。

 

「あー、ジョセフ〜」

「ミュン、おまえ人間に食事以外の目的でキ

 スをしたな」

「えっ…あ、はい。」

 それって…ヤバかったのか?な…。

 なんて思っていたら、

「よし、いいだろう。ステップアップだ。そ

 この人間」

 と呼ばれた。

 

「えっ、オレ⁉︎」

 

 鳥に話しかけられた。

 ってか、今ステップアップとかおっしゃっ

 ていたようなー…。

 

「あぁ、もうこいつはキスが飯じゃなくなる。

 普通に食えば満腹になる。だからこれから

 は、キスしなくても平気だ。」

 と言われた。

「へー…」

 でもなんでだろ。

 人間に自分からキスすればよかったって事

 か?

 

 でも…

 もうキスできないと思うと少し残念だなー

 と複雑な気持ちになった。

 

「じゃあな」

「またね、ジョセフ」

 

 バサバサっと飛び立つ正体不明な鳥…

 

「よかった、もう食事好きな時にたくさん食

 べれる♡今までキスしてくれてありがと」

「あぁ、うん…」

 

 オレは少し悶々とした。

 

 …あの柔らかいくちびるにもっとキスした

 いよぉー‼︎

 サキュバスやっぱオレにもフェロモン振り

 撒いてんだろーー‼︎

 

 なんてキス依存症になりつつあるオレ…

 その横でサキュバスが、

「あーっ‼︎」

 と声を上げた。

 

「えっ、なんだよ⁉︎」

「ご飯がキスじゃなくなったら次のステップ

 って…」

「え、何?」

「あのー、ご飯はもう大丈夫なんですが…睡

 眠…がー…」

「え、睡眠?寝るのがどうかしたの?」

「その、今度は…寝ても意味がなくなるって

 いうか…」

「はー…で?」

「とりあえず今日から一緒に寝よ♡」

「はいっ⁉︎」

「ほら、いいから帰ろっ」

 

 サキュバスに手を引かれ歩くオレ。

 

 …

 

 え?

 一緒に寝る⁉︎って言った⁉︎

 

 はあー⁉︎っ

 

 

 

 

 

 

 そしてついに夜がやってきてしまった。

 

 食後のキスがなくなり少しホッとしつつ残

 念なオレだったけど…

 

 

 …いそいそとオレの布団の隣に布団を敷く

 サキュバス。

 

 あー、添い寝すればいいのか!

 ということでいざ布団にイン。

 

 …

 

「いやいや、あんたの布団となりにあるじゃ

 ん」

 なぜかオレの布団に一緒に入ってきたサキ

 ュバス。

「へへ、これはほんとは関係ないの♡」

「は?」

「あのね、ハグして寝てもらわないと…その、

 空腹時みたいにまた…またわたし…」

 

 はー…マジかー…

 

 でも、人前でキスとかより寝る時だけハグ

 の方がましか。

 

「じゃ、ハグするよ?」

「はい♡」

 

 ギュ〜♡

 

 ゾワワわ〜ん♡

 オッ…

 オレまでゾワゾワしたぞ。

 

 ハァ♡

 でも、なんか抱き枕みたいで癒される〜♡

 あったけ〜

 

 …でも、悶々としますけど。

 

 

 …

 

 

 

 

 

 朝

 

「どう?睡眠は、大丈夫?」

「うん♡おかげさまでたくさん充電されたよ

 ♡ありがと」

 

 ということで安心して学校へ。

 

 ま、オレは寝不足だけどさ。

 

 

 

 

 午前中は、全然問題なしで昼もキスなし異

 常なし。

 

 …だったんだけどー。

 

 五時間目

 オレの隣の席のでウトウトするサキュバス。

 

 …

 

 ・おい、寝んなよ・

 ・おん・

 

 おんって…

 

 充電切れか⁉︎

 やばくね⁉︎

 

 でも、ここで…

 授業中いきなり隣の席のやつ抱きしめたら

 まずいよなー…。

 

 よし。

 

「先生!」

「どうした?三木谷」

「あの、咲蓮さん具合悪いみたいなんで保健

 室に連れて行きます」

「おぉ、じゃ頼んだぞ」

「はい」

 

 ガタッ

 

「ほら、行くぞ」

「おん」

 

 …こいつ充電切れるとおんしか言わね〜…

 

 

 さすがに授業中なだけあって人が全然いな

 い。

 

 

 よし、ここらでやってみるか。

 横になんなくても大丈夫かな?

 

 

「今、充電するからな」

「ぉ…」

 

 …

 

 ギュ〜♡

 

 ゾワゾワ〜♡

 あー、オレも毎回ゾワゾワする〜♡

 

「どう?」

「うん!元気になった‼︎ありがと♡」

「そっか、でも一応保健室いっとくか」

「うん。」

 

 はぁ。

 よかった。

 

 とりあえず一安心だな。

 

 続く。

 

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