サキュバスの食事
…ところでこいつ、一日何回ご飯食うんだ
?
…
昼食って…
あー、こいつの飯の心配で勉強が頭に入ん
ねーっすけどー…
そして心配の昼食
モグモグ。
あ、普通に飯食うんじゃん。
「お前、飯食えんじゃんか」
「あー、一応ね。食べないと人間って怪しむ
じゃん。食べても空気吸ってるのと同じな
んだけどさ。」
「あー…ってかさ、お前って一日何食食うの
?」
「三食♡」
マジかー…
あ、うちに猫いんだった。
いいこと思いついた。
「お前さ、うちの猫とキスしたらいいじゃん。
猫のハーフなんだし」
…
「それが…試したけどダメなの。よくわから
ないけど…満腹にならなくて。」
「…そっかー。」
え、じゃあこいつオレがキスしないと昼抜
き⁉︎
…
学校でキスすんのかよー…
ハードルたけーよー…
「「「ごちそうさまでした」」」
ギュ〜
グルグル
キュルキュル〜
…
みんなは満腹だというのにオレの隣のサキ
ュバスだけ腹ペコ状態。
チラッ
…
チラッ
…
こちらを伺うサキュバス。
…
「はぁ、わかったよ。こっちこい」
オレはサキュバスの手を引いてひとけのな
い階段の上まできた。
…
ドキドキ
「す、するぞ?」
「はい♡いただきます♡」
チュー♡
チュルルルン♡
「はぁ〜、お腹いっぱい。ごちそうさまでし
た♡」
…
やっぱりくちびるやわらけ〜♡
なんてほっこりしてる場合じゃねーっての。
「お前さ、他に満腹になる方法とか知らねー
の?」
「あー…、うん。」
「…そっか」
困ったな…。
⁉︎
二人で階段を降りているとクラス委員の委
員長
しかも、腕を組んで仁王立ち…
「あの、お二人はお知り合いかしら?」
「えっ、あぁ…まあ」
「そうでしたか。で?今何をしていらしたの
ですか?」
「あー、ちょっと打ち合わせを」
「ふーん。そうでしたか…打ち合わせを…わ
かりました」
クルッ
スタスタスタ
ふぅ。
ビックリしたー。
と思ったらまたクルッと振り向く委員長。
「咲蓮さん!わたし一応委員長ですのでわか
らないことありましたらわたしにどうぞ質
問くださいね!二人がどんな関係にあるの
かわかりませんが委員長ですのでっ」
と、いい去っていった。
…い、委員長。
一体なんだったのだろう…。
ま、色々とバレなくてよかったー…。
なんてほっとしていたのも束の間
午後の授業中
…こいつ夜ご飯…どうすんだ?
「なー、お前さ」
こっそりサキュバスに話しかけてみた。
「えっ、何?」
「夜ご飯…ってか家どこ?」
「ないよ!その辺で浮いて寝てる」
「はぁー?ないのー⁉︎」
「おーい、授業中だぞ。静かにしろー」
…また先生に怒られた。
ないってなんだよ…。
ずっと野宿かよ。
…
「おまえ…、あの…」
「ん?」
「うちに…とにかく!今日一緒に帰るから先
帰んなよ」
「あー…うん」
って事で放課後。
「さっきはすさ〜ん♡オレと一緒に帰ろっ」
と、クラスの男子がサキュバスを誘った。
他のクラスの男子もわらわらとサキュバス
と知らずにウハウハ集まってきた。
ま、サキュバスなだけあって色気すごいも
んな。
…
あーでも、めんどくせーなー。
こいつら巻かないと帰れねーかんな。
「あ、オレ先約してたから。わりぃな」
「はぁー⁉︎」
「なんだよ、三木谷のやつー‼︎」
と、軽くバッシングを浴びたが気にせずサ
キュバスの手を引いてそそくさ下校。
「ありがと、盗撮人間♡」
「その呼び方やめてくんないかなー。オレ三
木谷
「あー、なるほどねー。で、ハヤトは彼女い
るの?あの委員長が彼女?」
「は?なわけねーだろ。ってか、彼女いたら
おまえとキスなんかしないだろ」
…
急に青ざめるサキュバス。
「え?あのー…⁇ん?おーい」
どうしたんだ?
サキュバスがいきなりフリーズした。
かと思ったら、いきなり
「そうか。彼女いたらキスしてもらえないの
か。じゃあ、わたしの恋人になってよ。ね
ぇ、お願い‼︎」
と、しがみつかれた。
…え。
これって普通なら告白⁇
違う⁉︎
何この状況…
今度は、オレがフリーズした。
…
「あのー…、え?」
「え?」
「ん?」
「ん?」
…
何このやりとり。
続く。
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