アキト 事件当日の動き

【19:20~】

食堂で全員で食事。

19:50

父と同じタイミングで食事を終えた。

父は食堂を出て風呂場の方面へ向かった。

いまなら父の部屋に入れるはずだ。



【19:55~】

父の部屋に入り、机を漁ると父の日記がすぐに見つかった。

中身を見るとそこには10年前に母に起きた出来事と1年前の火事の真実が記されていた。

このとき、父に対する殺意が芽生え日記の内容を忘れるほど頭の中が憎しみでいっぱいになった。



【20:10~】

父の部屋を出て自室に戻る途中、杖を片手に西階段を1人で壁伝いに上ってくる妹のトーカと遭遇した。

「スバルが過保護だから内緒で屋敷を回りたい」

そう言ってきたため、2階を自分の部屋から時計回りで案内した。

20:30案内を終え、西階段から降りトーカを部屋へ送った。



【20:32~】

西階段を上り、そのまま自室には戻らずに電気室へ向かう。

23時ちょうどに停電になるようブレーカーに細工を施す。

その後、自室へ戻った。



【21:05~】

自室に父が来た。

「私の日記を知らないか」

そう聞いてきたが「知らない」と嘘をついた。

「別荘に忘れてきたか、自分の荷物に紛れているかも知れない」と言っておいた。

これでこの部屋から日記が見つかっても言い訳はできるだろう。

21:15

「見つかったら教えてくれ」と言い残し、父は部屋から出ていった。



【21:40~】

自室で殺人計画を練っていると、床からコンコンと音がした。真下の部屋にいるトーカが杖で天井をつついた音だろう。

この音は昔から、トーカが風呂から上がったという合図だ。

21:44

風呂に入る準備を整え部屋を出て西階段を降りると、ちょうど階段を上がろうとするスバルと会った。

「当主の部屋に行く」

そう言っていた。



【21:46~】

風呂に入ってしばらくすると、頭上から物音が聞こえてきた。風呂場の頭上だと父の部屋だ。

日記が見つからなくて怒っているのだろうか。



【22:10~】

風呂から上がりキッチンへ向かう途中、東階段にある人物画の目が動いた気がしたが気のせいだろう。

キッチンで殺人に使う包丁を回収し、東階段から2階へ上がる。

その途中、人物画を近くで注視してみたがやはりなにもおかしくないようだ。



【22:20~】

ベランダで外部の犯行に見せかけるための準備をする。

カーテンを二つ繋げてベランダから外に垂らす。

22:33

西階段から誰かが上がって書斎の方へ行ったようだ。

軽快な足音からしてトーカではないはずだ。

カーテンを伝い玄関に降り、わざと外から鍵をこじ開け、再びカーテンを伝いベランダに戻る。

22:50

23時まであと少し。

停電になった時に動きやすいよう左目をカズトの眼帯で覆い、暗闇に慣らしておこう。



【22:58~】

誰かが東階段から降りていった音がした。

この足音は父だ。

23:00

時間通り停電になった。

「私が直します」というスバルの声が1階のキッチン方面から聞こえた。

眼帯を外し西階段から1階へ降りるとホールにいる父が暗がりの中はっきりと見えた。

父の背後にそっと近づき、その背中に包丁を突き立てた。

「うがっ」といううめき声を上げ、父が床に倒れ伏せる。

動きを止めた父をその場に残し「ガチャッ」と音を立て玄関から外に出て、カーテンを伝いベランダに戻った。



【23:10~】

垂れ下げたカーテンを元に戻す。

その途中で停電が直った。

自分用の眼帯をつけ直す。

23:18

ベランダから自室に戻ろうとすると、電気室から出てきたスバルと会った。

「寝る」と一言告げ、部屋に入りすぐに眠りについた。

扉を閉める際にチラッとスバルを見た時、吹き抜けから1階のホールを見ている様子だったが何も言わなかった。




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