第17話 閑話、その後のソンダイたち4人


 その頃、ダビデ街とロラタ王都の中間にある街に住む前勇者と仲間達の所にダビデ街を逃げ出して死んだと思われている鷹の爪パーティーの4人が姿を現したのです。


 4人はリーダ、ソンダイの父親で前勇者に保護を求めてこの街に来て又、嘘を言い。


「悪人に騙されてスキルを奪い取られたので面倒を見て欲しい」


と頼んだのですが、父親と魔法使いのスブス、槍使いガルシ、斧使いのカバラの仲間の親たちも。


「嘘を言うな! お前たちの悪行は、この街にも伝わっており親に恥を欠かせたお前たちの面倒は見れん。勘当だ! 二度と顔を見せるな」


 怒鳴られて追い払われたのだ。


 実の親にも見放された4人は、道端の食べれる草や昆虫を食べて当てもなく、魔獣を避けて歩き、気が付くと草が所々に生えている荒れ地で力尽き座り込み、魔法使いのスブスが。


「こんな事になったのは、トムを魔獣のエサにしたソンダイのせいよ」


 ソンダイも言い返して。


「俺だけのせいにするなよ。スブスは他の冒険者パーティーの手柄や魔石を横取りしていたし、ガルシとカバラは寄って来る女を無理やり犯していた癖に・・・・・・」


「何だとー! 俺たちのせいにするのか・・・・お前も一緒に犯していた癖に」


 だが疲れ切った4人は言い合いを続ける元気も無く黙り込みソンダイが。


「もう俺たちは、終わりだ。何で俺たちだけがこんな酷い目に合うんだよ~。どうせ死ぬなら死んでも死霊になって此の世界に復讐してやる」


 ソンダイの言葉を最後に4人は意識が無くなりそのまま死を待っていたのだ。





 4人が意識を無くして暫くすると、黒い霧が出て来て霧が集まり人間のような姿になったのです。


 人間の姿だが、身長が2m位あり、口は大きく裂けて口の中は真っ赤で鋭い牙が生えていて肌は黒く背中にはカラスのような黒い羽根を持っている。


 その異様な姿の怪物は倒れている4人を見てニヤニヤと笑い。


「ふむぅー! ここまで邪悪な心の持ち主で恨みを持った人間は珍しいな・・・・・・丁度良いわい、死んだ死霊は弱いが・・・・・・・・実験中の生きた死霊を作る材料にしてみるか」


 


 そう言うと倒れている4人を宙に浮かせて運び、一瞬で暗い森の中にある、屋根にはカラスの群れが止まっている不気味な屋敷に行き。


 屋敷の中に入り、ブクブクと泡を立てている3mはある透明な容器が並んでいる部屋に行き運んで来た4人を床に下ろしたのだ。


 床に下ろした4人に怪物が軽く息を吹きかけると4人は目を覚まし、キョロキョロと辺りを見渡して魔法使いのスブスが怪物を見て悲鳴を上げて。


「キャァー! 此処は何処なの?・・・・」


 他の3人も見慣れない部屋に驚いていると連れて来た怪物が。


「死にかけたお前たちを助けて連れて来たのは我だ、礼を言って欲しいくらいなのに・・・・」


 怪物の姿を見て余りの恐ろしさに声も出ずに恐怖で震えている4人に怪物は」


「我は、お前たち4人の邪悪な心が作り出した姿の邪心王である。名はバンダイだ。覚えて置け」


 何とか正気に戻ったソンダイが恐怖で身体を震わせながら。


「お、俺たちをどうする気だ?」


「それよりも、お前たちは生きたいか?それとも死にたいか?」


 4人は声を揃えて同時に。


「死にたくない。・・・・生きたい・・・・」


「そうか、でわ、生きる望みは何だ?」


ソンダイが大きな声で叫び。


【復讐だー! 恨みを晴らす為だー!】


 魔法使いのスブス、槍使ガルシ、斧使いのカバラが。


【力だ! 力が欲しい】


「ガッハハー! そうか、ならばその為の力を与えよう・・・・・・ガッハハー・・・・」


 4人に邪心王バンダイが息を吹きかけると崩れ落ちて意識を失い、4人を浮かせてクブクと泡を立てている3mはある透明な4個の容器の中の黒い液体の中に1人ずつ入れて部屋を出て行ったのだ。





 3日後に部屋に来た邪心王バンダイが。


 

「どうれ、実験の結果はどうかな?・・」


 4人を容器から出して念入りに調べてから。


「ふむー。どうやら成功したようだな」


 邪心王ダイソンが息を吹きかけると4人は、目を覚ましお互いの姿を見て余りの変わりように、驚き悲鳴を上げて腰を抜かして口をパクパクさせて座り込んだのだ。


 4人は全裸で顔は元の顔だがその姿は、筋肉質で逞しく、邪心王バンダイと同じで身長は2mくらいで口は、大きく裂けて中は真っ赤で鋭い牙が生えていて肌は黒く背中にはカラスのような黒い羽根を持っていた」。


 スブスが女としての羞恥心があるのか全裸を隠すために側に会った布で身体を隠して。


「こんな醜い姿は嫌よ。元に戻してよ」


「戻しても良いが、死んで骸骨の姿になるが良いのか」


「わ、分かったわ! 骸骨になるくらいならこのままで良いわ」


「さて! お前たちは強力な力を持つ生きる死霊に生まれ変わったのだ。我の配下の4天皇として我に忠誠を誓えるか?誓えないのなら今すぐ心を持たない骸骨の死霊にするが・・・・・・・・」


 4人は即座に忠誠を誓うと邪心王バンダイが。


「ソンダイ、お前は魔剣士としての能力を授ける、スブス、お前には黒魔法の能力を授ける。ガルシ、お前には闇槍使いの能力をカバラには死神鎌使いの能力を与えよう」


 邪心王バンダイが4人に武器を渡して明日からは此の世界の生き物全てを排除する為に訓練を施すと言い、屋敷の名中の空いている部屋を使うように言って姿を消したのだ。


 朝、起きるといつの間に誰が用意したのか食事の用意がしてあったのです。


 4人は次の日から邪心王バンダイから授かった能力の使い方を教えられて、死ぬような厳しい訓練をさせられていたのである。

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