えーっと。
ぐらにゅー島
うーん。
「ねえねえ、お姉ちゃんって三歳の頃お父さんと結婚するって言ってたよね?」
彼女は、私にヒョンとそんなことを聞いた。
「んー。言ったかもしれないけど…。」
私は、昔のことを思い返す。
「そもそも、私たち四歳の差あるし。君生まれてないよね?」
「んー。まあ、そうだね。」
彼女も、確かに、と言った顔をした。
「でさ、私たち、お父さんもいないよね?」
「あー。」
忘れてたー、と彼女は呟いた。元から、私たちに両親なんていない。
「あとさ、君、誰?」
「え、ひどいな…。お姉ちゃんの妹だけど?」
ムッとした表情を彼女はする。
「いやでも、私兄弟も姉妹もいないし。」
「…それもそっか。」
そういうと、彼女は消えた。
私は、一人になった。
そもそも、自分以外のものなんて空想かもしれない。確実なものは自分だけなんだ。
じゃ、私は誰だろう。
あ、そうだ。思い出した。
私なんて、元から存在しなかった。
全部全部無かった。
この世に存在しなかった
全部、誰かの妄想だ。
えーっと。 ぐらにゅー島 @guranyu-to-
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