枯れない花のアルストロメリア
Rod-ルーズ
第1話 時の少女
私の時間はいつ何処で止まったのか。
気づいたらいつも、教室の窓側端の席で並木桜を眺めている。
この風景を眺めるのはこれで何回目なのだろう。
私は歳を取らない、いや取れないのだ。
理由はわからない。ただ気づいたらいつもこの席に座り、何か新しいことを待っている気がする。
教室にいるクラスメイトも毎回顔が違う気がするのは私の記憶違いだろうか、いやそれはないだろう。
クラスでの体育祭や放課後に遊んだり、部活動で楽しんだり色恋の話で一喜一憂したりと思春期らしい記憶もあるのだから。
けれど何故か毎回のごとく気がつくとクラスメイトも変わっている。
席から眺めるクラスメイトたちは皆、楽しそうに話しておりきっともう仲良く打ち解けたのだろうが私は変わらずこの席に座り動こうともしない。
きっと変わってないのは私だろう。
「今年は卒業できるのかなぁ……」
120回も見てきた桜並木に私、時田優花はそう呟いた……
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