シャーロキアンの事件簿

書記係K君

■第一部 R大学時代の友人「ワトスン君」の回想録より復刻

00.シャーロキアンの冒険 -The Adventures of Sherlockian-

 



 異国情緒の漂う”池袋R大学”にて

 今日も”シャーロキアン”達は語り合う…――



  ◇◆ ◇◆◇ ◆◇



【シャーロキアンとは】

 一八八七年、出版代理人アーサー・コナン・ドイル氏の薦めにより、伝記作家ジョン・H・ワトソン氏の執筆した推理小説『緋色の研究』が発表された。世界でたったひとりの「顧問探偵」が導く冒険活劇を描いたそれらの作品群は、英国の月刊小説誌「ストランド・マガジン」にて好評を博し、今なお世界中の読者に愛されている――


 そんな読者の中には…――、

 ワトソン氏の作品を、コナン氏の名前”-Conan-”の綴りを並び替えたアナグラムから、『正典-Canon-』と称して愛読し、名探偵ホームズの推理を検証したり、事件の起きた年代や場所を推測したり、記述の矛盾に合理的解釈をつけたりと”研究ごっこ”

で楽しむ者たちがいた。



 彼らのような愛読者・研究者・熱狂的ファンを…――

            世間では『シャーロキアン』と呼称する。


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