「何の御用でしょうか」

『こうげき力のすごい人が、ねらわれてたみたい……』

『1人になった時に、よび出して、そんな話をして……』


 だから言葉は、勢いよく立ち上がった。そして。



「しまったッ……!!」



 そう叫び、部屋の外まで駆け出す。



 ──



 私は放送で呼び出された通り、理事長室まで来ていた。ちらりと、横目で隣を見る。当たり前だが、ここには私と理事長先生以外、誰もいない。だから隣には、誰もいない。

 ……いつもここに来るときは、隣に言葉ちゃんがいたから……1人でここにいるのは、何だか変な気分だ。

 そう思いつつ、私は視線を前に戻した。そして、目の前にいる人に向け、口を開く。



「……何の御用でしょうか。理事長先生」



 私の問いかけに、理事長先生は……百目鬼ももめきれいは、小さく微笑んだ。


【第11話 終 第12話に続く】




第11話あとがき

https://kakuyomu.jp/users/rin_kariN2/news/16817330653121042752

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