第5話 事務所の2人! 呪いの放出

 鏑木たちが帰った後、俺は事務所で1人残っていた。


 事務所といってもマンションの一室を改造しただけだ。風呂もトイレも綺麗だし、その気になればここで寝泊まりもできる。


 そしてその一室で、俺はスマホのエロ動画を見ながら自分で慰めていた。


「くぅ……!」


 ティッシュで体液を受け止める。これで5回目だ。


 段々元のサイズに戻りつつあるが、おそらく寝て起きたらまたでかくなっているのだろう。いや、運が良ければ呪いが薄まっている可能性もあるか。


「はぁ、はぁ……」


 つらい。いろいろつらい……。アレは黒く変色するし、サイズはおかしなことになってズボンをはいたらもっこりするし、一人自家発電しないと魔族化のリスクもあるし……。


「くぅ……!」


 また息子が大きく成長し始める。もしかして寝る間も惜しんでしごかなきゃいけないのか……?


 そんな絶望を抱いていた時だった。扉が遠慮がちに開かれる。


「隊長……きゃっ」


 部屋に入ってきたのは制服姿のしずくだった。俺は自分のモノをしまっていなかったので、もろに見られる。


「あ、しずく。悪い。ってなんだ、まだ残っていたのか」


「は、はい。その、私。隊長に謝りたくて……」


「ん?」


 しずくは伏し目がちに口を開く。


「魔族が現れた時。隊長の命令を無視して撤退せず、助けられたばかりか呪いまで……」


「あ、ああ……」


 どうやらしずくなりに責任を感じているらしい。


 あの時はどちらかと言えば、めぐみの独断専行がきっかけだった様な。最終的に撤退せず、魔族と戦う事を選択した時点で同じか。


「隊長。そ、その。お体は、やっぱり……お辛いですか……?」


 気遣ってくれているのかな。だがここで俺はしずくにいたずらをしたくなった。


「ああ、めっちゃつらい。俺のはずっと腫れあがっているし、外に出さないと呪いは身体から抜けないし。ああ……あの時4人が、素直に撤退してくれていたらなぁ……」


 もちろん本心ではない。起きた事は仕方ないからだ。


 だがここで責任を感じさせることで、次からは俺の命令にも素直に従うだろう。そう考えてのことだった。だがしずくからは予想外の反応がかえってくる。


「そ、その……! わ、私……! 責任を、取らせていただきます……!」


「……え」


 しずくは顔を真っ赤にしながらも、こちらに近づいてくる。


「隊長がその様に苦しむ事になった原因を作ったのは、私たちに責任がありますから……! それに隊長は私たちを助けてくれました! 九条院家の女として、受けた恩はお返ししなければいけません……!」


「お、おい……」


「は、はじめてですので、不作法でしたら申し訳ございません……!」


 そう言うとしずくは俺のを握る。そして上下にしごきはじめた。


 こ、これは……! つまりしずくが、手伝ってくれるということか!?


「ど……どうですか……」


 しずくは勝手が分からず、無心にモノをしごく。慣れない手つきは初々しくあったが、逆にもどかしくもある。


 そう感じた時だった。俺の性欲がより刺激され、モノは一回り大きくなる。


「きゃ……!」


「……悪い、しずく。どうやら呪いが強くなった様だ」


「え、えぇ……! ど、どうすれば……!」


「……その。口で……」


「え……く、口で、ですか? ……わ、わかり、ました……」



◼️



「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」


 あぁ、最後までヤってしまった……!! し、仕方なかったんだ……!!


 しずくの様な美少女が、献身的に手伝ってくれたのだ。当然、呪いの影響下にある俺が自分の衝動を抑えられる訳がない……!!


 段々衝動の波が収まってくる。そして俺はしずくに倒れ込み、その豊満な胸に身体を倒した。


 しずくは全身をびくびく痙攣させながらも、俺の頭を優しく撫でる。


「ど……どう、です、か……。呪いは、落ち着き、ましたか……」


「……ああ。多分……。ごめんな、ちょっと激しくやり過ぎた……」


 俺自身落ち着きを取り戻していく。呪いによる性衝動は収まっている。


「良かった、です……。そ、その。私も中で隊長が出された時。初めてなのに、き、気持ちよくて……」


「え……」


「あ、その。多分、呪いを体内で上手く自分の魔力に変換できた影響かと思うのですが……」


「……なるほど」


 つまり俺との行為は、相手の魔力を上昇させると同時に、処女であろうが快感まで与えられるのか。


 それに俺も呪いをかなり放出でき、魔族化のリスクも抑えられる。最高じゃないか……!





 ……とまぁいろいろあった。結局しずくとはあの後、もう一度ヤってしまったし。


 だが魔獣課の活動は続いていた。俺の呪いについてだが、世間体もあるのでみんなには黙ってもらっている。


 いや、だっていい歳した男が呪いで常に股間を膨らませているなんて、格好悪いにも程があるだろ?


 幸いしずくやめぐみたちも俺に負い目があるのか、内緒にしてくれていた。だがそれはそれとして、俺への追及はあった。


「だから! あの時隊長が見せた力について、教えてって言ってるでしょ!」


 制服姿のめぐみがやいのやいのと言ってくる。今日はかぐや以外のメンバーがそろっていた。


「あの時ぃ~?」


「とぼけないで! 初陣の時、あなたが魔族と魔獣相手に見せた力のことよ!」


「ああ。俺の撤退命令を聞かず、呪いを受けてしまった時のことか」


「ぐ……。わ、悪かったわよ……」


 あれ以来、めぐみも俺の言うことをいくらか素直に聞く様になっていた。


 隊員は素直になり、しずくとの関係は今も続いている。そう思うと、呪いを受けたのも悪いことばかりではないな。そのしずくは俺にコーヒーを出してくれた。


「でも私も気になります。あの時の隊長さんが見せた力は、術士の常識を無視したものでしたから」


 あまねもしずくに同意する。


「うん。あの魔力エネルギーの方向を簡単に逸らすなんて、Sクラス術士にも不可能。それに隊長は式神も使った。強力な式神を」


「それだけじゃないわ。あの移動術はなに!? 術による身体能力強化では、あんなに一瞬で移動できないはずよ」


 よく見てたな。こういう騒ぎになるのは目に見えていたから、仙術はあまり使わない様にしているんだが。


「隊長は碌な実戦経験もないはずでしょ。なのに、どうして……」


「うーん。なんて言ったらいいかな……。とりあえずあの時の術は式神じゃない。式神を使役できるのは、皇族の血筋のみだからな」


 俺の言う事にめぐみは納得いっていない様子だったが、あまねは小さく頷いた。


「……そういえば。あの式神っぽいのが顕現している間、隊長はまともに動けない様子だった。式神ならそういう事にはならない」


 さすが皇族と縁の深い真咲家のお嬢様。よく分かっている。


「じゃあ……ますますなんだと言うのよ」


「まぁあれだ。昂劫家に伝わる秘伝の術、門外不出の奥義……? 的な何かという事で。おまえらの家にも、そういう類の術が伝わっているだろ?」


「ぐ……それは……そう、だけど……。でも! 昂劫家にあんな術が伝わっているなんて話、聞いた事がないわ!」


 まぁ伝わってないしな! しかしめぐみは知りたがりだなぁ。学園生とはいえ術士の端くれだし、未知の術は気になるか。


「じゃあこうしよう。お前たちがこの魔獣課でしっかり仕事に励めば。いつか教えてやるよ」


「……! 本当ね!? 今さら吐いた言葉は飲み込めないわよ!」


「……ボクも頑張るよ」


 …………っ!? あまね……ボクっ娘だったのか……!!

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