スピリチュアル氷川神社
さやこ
第1話 思い立ったが吉日
11月某日。思い立ったが吉日。
毎年初詣には近所の神社に出向いていた私は、
今まで名前が知れたパワースポット、いわゆるご利益がある神社には
行ったことがないことに気づいた。
占いやおまじないが好きで、小さい頃から様々なものを試し、
占い師等のヤバイ匂いがするものにも手を出したことがあったが、
「力がある有名な場所に出向く」ことは今までしたことがなかった。
その日は一日雨が降る予定だった。
傘を持ち歩く事に面倒臭さを感じながらも、
何故か私の目的地はここだ!と確信があった。
嵐が来ようが何が来ようが、目が覚めた時から行先が決まっていたのである。
大宮・武蔵一宮氷川神社。
年末年始の時期だけでなく、七五三や結婚式などでも人気で、
いわゆるソッチ系の人たちも一目置く力のある神社だ。
名前だけは聞いたことがあり、ネットで調べた事もあったが、
境内の地図を見ただけで「あ、これ迷子になるやつw」と思い、
生まれてこの方、一度も行ったことがなかったのである。
それにしても、何故こんな時期に参拝に行こうと思ったのか・・・。
行ってみたい、という気持ちもないわけではなかったが、
仕事が繁忙期だったこともあり、よりによってこの時期に
頭の中が参拝のことでいっぱいになっていた。
何かに引き寄せられているような・・・そんな感覚だった。
大宮駅到着後、神社に向かうまでの道ですら迷子になる確信があった私は、
その日はタクシーを使ってでも行く心づもりであった。
ところが、実際に地図を見ながら歩いていくと、
この方向音痴の私には有り得ないほどスムーズに、
一度も迷うことなく神社にたどり着いたのである。
「何かに引き寄せられている気がする・・・!
いや、だからといってここで気を抜いてはいけない!」
初めて参拝する神社に対し、私の心は戦闘態勢だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます