第2話 死なない理由

死んだらいけない理由を探す方が難しい。

希死念慮と戦ってまで頑張って生きる意味も必要性も感じない。死にたくないけど生きていたくもない。楽に死ねるならそれに縋りたい。楽な死に方を模索するけどやはり自殺なんて身勝手な処遇をそんな簡単に終わらせてくれるほど生命も甘くなかった。最近は自殺する罰なんだと思い始めた。終わらせてしまいたい。死んじゃいけないなんて価値観は他者からの押し付けで、周囲が勝手に決めつけてるだけ。死にたい奴は勝手に死ねばいい。だから私はあと6年、葬式代および物の処分費用、他人に迷惑はかけないつもりだけど少しの慰謝料と親へ大金育ててくれたのに死んでごめんの乏しいであろう返金やらが貯まるまで、保険金の自殺の免責期間が終わるまで、みんなが幸せになるのを見届けるまで、もう本当に無理だって絶望するその瞬間まであと6年ひたむきに息を殺して日々を後悔なく自由にやり切るために過ごす。

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